東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「カンパーニャとローマ・ヴァティカン」(イタリア)

第四部 ローマ・ヴァティカン編

D46. カエサル(シーザー)とアウグストゥスのフォロ

フォロ・ロマーノで見たウェヌス女神の神殿跡

ローマのヴェネツィア広場から続くフォーリ・インペリアーリ通りを挟み、トラヤヌスのフォロと記念柱の向かい側にあるのが、下の画像にあるウェヌス女神(ヴィーナス)の神殿跡なんだ。

イタリアの首都ローマのフォロ・ロマーノで見たウェヌス女神の神殿跡

今では三本の円柱を中心とする一部の遺構しか残っていないんだけどね。そんなウェヌス女神の神殿に隣接しているのが、カエサル(シーザー)のフォロなんだ。

カエサル(シーザー)のフォロ

ウェヌス(ヴィーナス)女神の神殿に隣接しているカエサル(シーザー)のフォロ(フォルムあるいは公共の広場) ・・・ というよりも、カエサルのフォロの中にウェヌス女神の神殿が建てられていたと書くべきかな。

というのも、古代ローマ帝国の英雄カエサル(シーザー)が属していたユリウス一族のご先祖様はウェヌス女神(ヴィーナス)だとされていたんだ。つまり、カエサル(シーザー)は自分が設けたフォロにご先祖様を祀る神殿を建てたというわけだ。(日本で言えば、氏神様ってことかな。)

イタリアの首都ローマのフォロ・ロマーノで見たカエサル(シーザー)のフォロ

上の画像の中に見える中央下部の円柱が並んでいるあたりがカエサル(シーザー)のフォロ跡地なんだけど、元々のフォロが手狭になった為に彼が設けたのがカエサル(シーザー)のフォロなんだそうな。紀元前54年から46年にかけて作られたカエサル(シーザー)のフォロの中央には、彼の騎馬像もあったらしい。

古代ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥスのフォロ

カエサル(シーザー)が暗殺され、やがて彼の養子にして甥にあたるオクタヴィアヌスが権力を掌握した。そして紀元前27年、オクタヴィアヌスが古代ローマ帝国初代皇帝アウグストゥスとなった。そのアウグストゥスが設けたのが、下の画像にあるアウグストゥスのフォロだね。

イタリアの首都ローマのフォロ・ロマーノで見た古代ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥスのフォロ

カエサル(シーザー)のフォロにはユリウス家のご先祖ウェヌス女神の神殿があった。対して、アウグストゥスのフォロの中央にあったのがマルスの神殿だった。そのマルスは復讐の神でもあった。ここでいう復讐とは、アウグストゥスの義父であるカエサル(シーザー)を暗殺した人々に対するものだね。「ブルータス、お前もだ」とアウグストゥスは言ったかも。

五賢帝の一人ネルヴァのフォロとミネルヴァ神殿

カエサル(シーザー)のフォロとアウグストゥスのフォロとの間に後に設けられたのがネルヴァのフォロだった。ネルヴァというのは古代ローマ帝国の皇帝で五賢帝の一人とされ、後にダキアを征服したトラヤヌスを養子とした人物だね。

イタリアの首都ローマのフォロ・ロマーノで見たミネルヴァ神殿跡

このネルヴァのフォロには、ミネルヴァ神殿が設けられていた。17世紀まで残っていたそのミネルヴァ神殿も、石材を利用する為に取り壊されてしまったんだそうな。今も残っているのは、上の画像に見える2本の円柱とミネルヴァ神の像だけだとか。


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