東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「春のポルトガル」

リスボン、シントラ、オビドス、ナザレなど

11. オビドス -3. サンタ・マリア教会とアズレージョ

中世の城壁の街オビドスのサンタ・マリア教会

中世の城壁に囲まれたオビドスには、いくつかの教会がある。下の画像は、オビドスの中心部にあるサンタ・マリア教会なんだ。

中世の城壁の街オビドスのサンタ・マリア教会(ポルトガル)

このサンタ・マリア教会、小さいし外見はぱっとしないけれども、中に入れば興味深いものがあったよ。中世のポルトガル王国ゆかりの歴史もあるみたいだし。

サンタ・マリア教会の入り口の上の聖母マリア像

下の画像は、そんなサンタ・マリア教会の入り口の上に立つ聖母マリア像。かなり色あせてはいるけれども、青と赤の服を着ているよね。キリスト教の伝統では、青は聖母マリアの象徴とされている。赤は神の慈愛を示すんだそうな。

中世の城壁の街オビドスのサンタ・マリア教会の入り口の上の聖母マリア像(ポルトガル)

聖母マリアの両脇の二人の背中には、小さな翼が見えるね。ということは、彼らは天使なんだろうな。ちょいとポッチャリ体型の天使みたいだけど、あんな小さな翼で飛べるんだろうかね。

オビドスのサンタ・マリア教会の祭壇

聖母マリア像の下の入り口からサンタ・マリア教会の中に入る。暗いし、狭いし、色鮮やかなステンド・グラスがあるわけでもない。でも、隅々まで様々な装飾が施されている。この教会に集まる人々の深い信仰心を物語っているのかもしれないね。下の画像はそんなサンタ・マリア教会の祭壇の様子なんだ。

中世の城壁の街オビドスのサンタ・マリア教会の祭壇(ポルトガル)

このオビドスのサンタ・マリア教会で西暦1441年に結婚式が行われた。新郎はポルトガル王アフォンソ5世。といっても、新郎は9歳の子供だった。幼い王の摂政であり、叔父でもあったコインブラ公ペドロの娘が新婦だった。その新婦も新郎と同じ年齢だったそうな。

ちなみに、新婦の父の弟がポルトガルの大航海時代を切り開いたエンリケ航海王子だった。摂政でもあった新婦の父が大西洋探検の支援を決定し、その責任者を弟のエンリケ航海王子としたことで、ポルトガル王国が大航海時代に漕ぎ出したというわけだね。

ついでながら、ここで結婚式を挙げたポルトガル王アフォンソ5世の奥さんは若くして亡くなっている。その後のアフォンソ5世はカスティーリャ王女と再婚し、カスティーリャ王位を狙ってカスティーリャ女王イサベル1世と戦っているんだ。

サンタ・マリア教会のアズレージョ

サンタ・マリア教会の中を見て歩く。下の画像は植物模様のアズレージョだね。その中央にある彫刻は、十字架から降ろされたキリストと聖母マリアを描いているみたいだね。そんな彫刻を主役とする為に、周囲のアズレージョは敢えて植物模様としたのかな。

中世の城壁の街オビドスのサンタ・マリア教会のアズレージョ(ポルトガル)

植物模様のアズレージョは16世紀後半のポルトガルで流行したものらしいけど、その頃の絵柄タイルは多彩な色彩を使っていたらしい。白地に青のタイルが使われたのは、17世紀後半以後のことだとか。色々と資料をめくってみたんだけど、このサンタ・マリア教会のアズレージョについては、よくわからなかったよ。


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