東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「初秋のブルゴーニュ」 (フランス)

ディジョン、ジュヴレ・シャンベルタン、ボーヌ、ペルージュ、リヨン

23. リヨンで散策、ディナー、買い物

リヨンのベルクール広場に立つフランス王ルイ14世太陽王の騎馬像

昨日はリヨン旧市街の古代ローマ帝国時代の劇場跡フルヴィエール教会サン・ジャン大聖堂などを見て歩いたんだけど、今日は新市街を歩き回る。まずはソーヌ川にかかるボナパルト橋を渡り、やって来たのがベルクール広場。

フランス第2の都市リヨンのベルクール広場に立つフランス王ルイ14世騎馬像

そのリヨンのベルクール広場の中央に立っているのが、パリ郊外にヴェルサイユ宮殿を造営したフランス王ルイ14世太陽王の騎馬像だ。

ついでながら、このフランス王ルイ14世太陽王は、このリヨンでお見合いをしたことがあったそうな。相手はサヴォワ公家の公女だった。でも、その2年後にはスペイン王女と結婚している。どうもサヴォワ公家の公女は当て馬だったらしい。失礼な話だよね。

でも、スペインの王女と結婚したおかげで、ルイ14世の孫のフェリペ5世はスペイン王となったんだ。それが原因でヨーロッパの多くの国々を巻き込むスペイン継承戦争が起こったんだけどね。ちなみに、今のスペイン国王フアン・カルロス1世はそのフェリペ5世の子孫にあたるらしいよ。

リヨンで買い物

そして下の画像は、この日リヨンで買った絵とアーティスト。この画像でははっきりと見えないんだけど、実はこの絵は立体的に作られているんだ。小さなバイオリンや鍵盤は浮き出ている。ちょいと面白いでしょ。というわけで、ロンドンに帰宅してから、フレーム屋さんに頼んで、この立体的な絵をすっぽりと包み込む額を作ってもらい、今も自宅に飾ってある。

フランス第2の都市リヨンで買った絵とアーティスト

そこから先は家内の独壇場だった。モダンな噴水のあるラ・レプブリク広場を抜け、フランスのデパート「プランタン」へ。続いて、同じくデパート「ギャラリー・ラファイエット」。更にはブティックなどなど。

私は買い物には興味はなかった。でも、フランスのデパートはちょいと楽しいかもしれない。最大の楽しみはワインやキッチン関連の売り場。便利なキッチン用品や面白いデザインのテーブル・クロスなどは、見ているだけでも楽しめるね。

しかし、さすがにずっと家内につきあってはいられない。結局は近くのカフェで待つことにして、別行動を始めた。家内は好きに買い物をしてくればいい。私は静かにのんびりしよう。

リヨン郊外でミシュラン三ツ星のレストラン「ポール・ボキューズ」

リヨン市内で買い物を済ませた後、ホテルに戻る。ゆっくりと風呂に入り、丁寧に身支度をする。ホテルからタクシーに乗って20分ほど。リヨンの北 10kmほどのところにあるミシュラン三ツ星のレストラン「ポール・ボキューズ」に到着だ。

案内されたのは窓際の落ち着いた席。アペリティフに家内はマコンの白ワイン、私はキールを選ぶ。キール・ロワイヤルはお腹がふくらむので好きではない。メニューをじっくりと読み、結局は秋のコースを注文した。

次に恰幅の良いヒゲのソムリエ氏の登場。色々と薦めてくれたんだけど、今度のブルゴーニュの旅で飲んだものばかり。せっかくならば、まだ飲んでないワインを飲みたいよね。というわけで、色々と相談しながらハーフの白ワインとフルボトルの赤ワインを注文。

アミューズ・グールはマグロのガーリック・ソテーにトマトとタマネギを刻んであえたものを添えてある。やがて白ワインの登場。今度は若いソムリエだ。ソムリエは何人いるのかと尋ねれば、三人いるとの答だった。さっきのヒゲの殿下がソムリエの親分なんだそうな。

そして最初の料理はトリュフとフォアグラのスープ。ポール・ボキューズ氏の得意料理だね。スープ皿を覆うパイにスプーンで穴を開けた。蒸気が噴き出す。香りが広がる。別世界へのトンネル。そのトンネルの中には魔法のスープ。続いてタルボット(タラの一種)が出て、そして銀のタートヴァンの中に載ったカシスのシャーベット。

隣のテーブルにたぶんフランス人のご夫婦と男の子の三人家族が到着。男の子の10歳の誕生日に、意を決してポール・ボキューズに来た・・・そんな感じ。3人とも興奮しているみたい。私達も同じだよ。一緒に頑張って楽しもうね。

その隣のテーブルにフォアグラが到着。ナイフでフォアグラをパンに乗せて食べている。でも、その男の子、フォアグラをパンに乗せる度にナイフを口に入れてなめているんだ。わかる、わかる、その気持ち。無理もない。

やがて私たちのメインの到着。家内はビーフの赤ワイン煮。私は大好物のラム肉のグリル。どちらも美味かった。でも、私の判定ではラム肉に軍配かな。でも、やはり最初のトリュフとフォアグラのスープが最高。あちこちのテーブルでスープ皿を包むパイに穴が開いて香りが広がる度にお代わりしたくなったもの。

最後に数え切れないほどのデザートが私たちのテーブルを取り囲んだ。えっと、どれをもらおうかな。バニラとラズベリーと桃のアイスクリーム、卵の白身のメレンゲ、そしてイチゴ。どれもこれも憎いほどに美味かった。最後にコーヒーで締めくくり。

フランス第2の都市リヨンの郊外にあるミシュラン三ツ星のレストラン「ポール・ボキューズ」の店の前で

やがてタクシーが到着。この旅で最高のディナーを楽しませてもらったレストラン「ポール・ボキューズ」を出る時間だ。店の前で若いスタッフが記念撮影してくれたのが上の画像だ。料理もワインもとっても美味かったけど、役者ぞろいのスタッフもサービス精神旺盛だったね。楽しい夜だった。

旅の買い物

翌日の朝、とうとう旅の最終日になってしまった。昨夜のディナーに出かける前に、ホテルのフロントにモーニング・コールを頼んでおいたのに、とうとう電話は来なかった。ちなみに、泊まっているのは旅の初日と同じリヨンのホテル「ラ・トゥール・ロセ」なんだけどね。

そして7時半。部屋を出て下のカフェに向かう。今朝はそこで7時半に朝食を用意してもらう約束になっている。が、そのカフェには誰もいない。フロントにも誰もいない。もちろん、私たちの朝食は用意されていない。電話をかけてみたが、交換手は全く英語を理解できなかった。あきらめて部屋に戻る。

やがてホテルのマダムから電話が来た。事情を説明し、朝食の手配を頼んだ。8時15分にカフェで朝食ということになった。その時間にカフェに行く。が、朝食は無い。マダムが出てきて朝食を部屋に運ばせたという。でも、荷造りの最中で部屋ではとても食事はできないんだよ。

やがて朝食がカフェにもどってきた。まずはカフェオレ ・・・ と思ったら、カフェオレにミルクがない。ミルクの無いカフェオレというのは非常に珍しい。やがてミルクが登場し、冷めた朝食を食べることが出来た。

このリヨンのホテル「ラ・トゥール・ロセ」のレストランは当時はミシュラン一つ星だった。が、初日にはそのレストランで食べてがっかりだった。そして今朝もがっかりと驚きの連続だった。このホテル、リヨンの中では立地は最高だと思う。が、それ以外の点では問題が多すぎるね。立地が良いからこんなんでもやっていけるんかな。

ともかく荷造りを済ませ、タクシーでホテルを出発したのが10時過ぎ。このタクシーの運転手がスピード狂だった。もしここがフランス南部プロヴァンス地方港町マルセイユだったら映画「タクシー」の主役になれるね。最高時速 180kmで空港まですっ飛ばしていたよ。私たちはそんなに急いでいなかったんだけどね。

でも、その高速タクシーのおかげで空港では時間たっぷり。再び免税店で買い物ができちゃった。買ったのはまずディジョンのカシスのリキュール。これでキールを作ることが出来る。ボジョレーのソーセージ。このオムレツは美味いぞ。リヨンのソーセージ。これは生で美味い。フォア・グラの缶詰二つ。これはとっておきだ。鴨肉のパテ。これはパンに載せて。

「初秋のブルゴーニュ」の旅を終え、ロンドンの自宅で記念撮影した土産物いろいろ

ロンドンのヒースロー空港に到着したのが12時半。タクシーで自宅に帰りついたのが14時。そして今回の旅の買い物をテーブルの上に並べた様子が上の画像だ。いや、よく見れば一品もれている。実は土産物を買い過ぎて、持っていったスーツケースに荷物が入らなくなり、リヨンでバッグを買ったんだ。上の画像にはそのバッグが入っていないね。

そんなこんなで買い物たくさんの旅。あちこちのレストランで料理もワインもとことん楽しんだ。そして歴史もたっぷり。至極満足の「初秋のブルゴーニュ」の旅だったよ。


旅行記 「パリに住んだ ・・・ つもりの9日間(フランス)」



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