古都ラヴェンナにあるサン・ヴィターレ教会に到着古都ラヴェンナに現存する最古の建物と言われるネオニアーノ洗礼堂から歩くこと 500mほど。大した距離じゃないけど、冷たい雨が降ったりやんだり。デコボコのある古い石畳の道にはたくさんの水たまり。たっぷりと水を吸った靴は冷たくて重い。
でも、「雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ」に観光を続ける私たちが到着したのが、イタリアの古都ラヴェンナの世界遺産の一つとなっているサン・ヴィターレ教会(上の画像)だった。
6世紀前半に建てられたサン・ヴィターレ教会4世紀末のことなんだけど、イタリアの街道の街ボローニャで聖ウィタリス(サン・ヴィターレ)の遺骸が発見された。やがてその遺骸は西ローマ帝国の首都となっていたラヴェンナに移され、そこに小さな霊廟が建立されたんだそうな。そして6世紀前半、その霊廟のあった場所に今に残るサン・ヴィターレ(聖ウィタリス)教会が建てられた。その建立が始まったのはテオドリック王で名高い東ゴート族の王国の時代だったのか、あるいはユスティニアヌス1世(大帝)の東ローマ帝国(ビザンティン帝国)の時代だったのかははっきりしないらしい。(東ゴート族のテオドリック王が亡くなった西暦526年に建立が始まったという説もあるけど。) でも、この教会が完成した時点でのラヴェンナは東ローマ帝国の支配下にあった。故にサン・ヴィターレ教会は東ゴート族が信じたアリウス派ではなく、ローマ・カトリックに従って聖別されたんだそうな。その聖別を行ったのが大司教マクシミアヌスだった。さっき見た大司教館付属博物館に象牙の司教座を残した人物だね。
そんな歴史あるサン・ヴィターレ教会(聖ウィタリス聖堂)の内部の様子が上の画像。かつては壁も柱もモザイク画に覆われていたらしい。そのモザイク画は失われ、代わりにフレスコ画が描かれたんだそうな。
サン・ヴィターレ教会の内陣と天井の華やかなモザイク画サン・ヴィターレ教会の中を更に奥へと進む。やがて内陣と天井を飾る華やかなモザイク画(下の画像)が見えてくる。教会のこの部分には 6世紀のモザイク画が残っているんだ。
上の画像の上部、つまり内陣の天井にあたる部分には、4人の天使に支えられる子羊が描かれている。この子羊はキリストを表現しているらしい。その下の内陣の上にあたる部分に描かれているのは、キリストと使徒たちなんだそうな。
内陣の壁にもモザイク画サン・ヴィターレ教会の内陣の左右の壁にも多くのモザイク画が残されている。例えばアブラハムと三人の天使やイサクの生贄(下の画像)も描かれている。
アブラハムにしてもイサクにしても、旧約聖書に登場する人物だよね。新約聖書においても、マタイによる福音書の冒頭に登場する。アブラハムの息子がイサクで、十字架にかけられたキリストは二人の子孫にあたる。
ところで、旧約聖書の中の「アブラハムの供犠 あるいは イサクの生贄」なんだけど、せっかくだからその概要を下に書いておくかな。
聖書の中ではイエス・キリストがアブラハムとイサクの子孫とされていることは先に書いたけど、ダビデやソロモン王も二人の子孫(キリストの祖先)とされている。自分の息子を生贄に捧げようとしたアブラハムに言った言葉を神は守ったということになるんだろうね。
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