東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「エミリア・ロマーニャとトスカナ(イタリア)」

21. 鉄道でサン・マリノ共和国へ

鉄道でサン・マリノ共和国に向かう

いよいよ旅の3日目。今日はアドリア海を見下ろす山の上にある小さな独立国サン・マリノ共和国へ行くことになっているんだ。でも、心配なのは鉄道の運行状況。昨日の夕方はピアチェンツァでの列車事故のおかげで、ラヴェンナからボローニャへの帰りは大混乱だった。今日はもう鉄道は大丈夫なのかな。

昨日と同じくホテルの目の前にあるボローニャ中央駅から列車に乗る。駅の電光掲示板で確かめたところでは、私たちが乗る予定の列車は予定通りに運行されるみたい。でも、予定の列車がやってきたのは定刻の20分遅れ。先が思いやられるね。でも、ともかく列車に乗り込み 9時25分にボローニャ中央駅を出発した。

サン・マリノ共和国周辺略図(イタリア)

列車の中はかなり混雑している。私たちはイギリスの首都ロンドンで手配したファースト・クラスのチケットを持っていたんだけど、座席を見つけることも出来ず、通路に立ちっぱなしになっちゃったよ。

チタン山の上のサン・マリノ共和国

ところで、今日の目的地であるサン・マリノ共和国なんだけど、その首都であるサン・マリノ市はアドリア海を見下ろす海抜 749mのチタン山(ティターノ山)の上にあるんだ。

サン・マリノ共和国の切手に描かれたチタン山と三つの城砦

そんなサン・マリノ市を描いたのが、上の画像にあるサン・マリノ共和国の切手だね。この切手には山頂に三つの城砦が描かれているけど、実際にサン・マリノ市には三つの城砦がある。もちろん、それらの城砦は後のページで登場するよ。

小さな独立国 サン・マリノ共和国

上の画像ではサン・マリノ共和国の切手をお見せしたけれども、サン・マリノ共和国で発行されているコインが下の画像。つまり、小さいながらもサン・マリノ共和国は独自の切手やコインを発行するれっきとした独立国というわけだね。イタリアのエミリア・ロマーニャ州とマルケ州との間にはさまれているけどね。

サン・マリノ共和国のコインに描かれた三つの城砦

もっとも、独立国とはいっても、サン・マリノ共和国はヨーロッパで3番目に小さな国なんだ。言うまでもないことかもしれないけど、最小の国はローマの中にあるヴァティカン市国だね。次に小さな国はフランス南部コート・ダジュールの街ニースに近いモナコ公国だね。そんな小さな独立国サン・マリノ共和国の面積は 61平方km。人口は3万人あまりなんだそうな。

独立国とはいっても、サン・マリノ共和国の公用語はイタリア語。今は通貨はユーロ EURを使っているけれども、かつて独自に発行していたサン・マリノ・リラの価値はイタリア・リラと同じだったそうな。加えて、軍隊は名ばかりの儀礼的な存在で、実質的にはイタリア軍に依存しているんだそうな。

それでも西暦301年の建国以来、独立を守り続けているらしい。西暦1631年にはローマ教皇ウルバヌス8世がサン・マリノ共和国を独立国として承認してもいる。現存する最古の共和国だとされている。国連とIMFの加盟国でもある。

リミニ駅からはタクシーでサン・マリノ共和国へ

ボローニャ中央駅で列車に乗り込んで1時間あまり、10時25分にリミニ駅(下の画像)に到着。田舎にしてはちょいと立派な駅。というのも、リミニは海辺のリゾート地。夏には多くの人々がやって来るんだそうな。

ボローニャ中央駅から鉄道でやって来たリミニ駅

とはいえ、私たちの今回の旅ではリミニの海辺を歩く時間は無い。とっととチタン山の上にあるサン・マリノ共和国へ向かおう。この海辺の街リミニからサン・マリノ共和国までは約 24kmの距離。路線バスも走っている。でも、時間が惜しいよね。タクシーに乗っちゃおう。


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