東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「カンパーニャとローマ・ヴァティカン」(イタリア)

第一部 ソレント・アマルフィ編

A05. ちょいとローマを散歩

夕方のローマをちょいと散歩

今はイタリア時間で夕方の5時。日本では既に深夜だね。でも、ちっとも眠くない。旅の興奮のせいかもしれないね。せっかくだから、久々のイタリア、久々のローマを散歩しよう。外はまだ明るいからね。

というわけで、まずやって来たのはホテル近くにあるアウレリアヌス城壁のピンチアーナ門(下の画像)なんだ。

イタリアの首都ローマに残るアウレリアヌス城壁のピンチアーナ門

この城壁は、古代ローマ帝国の皇帝アウレリアヌスによって築かれたもの。といっても、古代史の名残りというだけのものでもない。近代史の舞台にもなっている。

西暦1861年に近代統一イタリア王国が成立したんだけど、教皇のお膝下のローマは王国の支配下には入らなかった。ところが、西暦1870年にはイタリア王国軍がローマを占領・併合している。その際、イタリア王国軍と教皇庁軍が戦火を交えたのが、このあたりだったそうな。

そんな場所から歩き始め、ローマでも最もエレガントな通りと評されるヴェネト通りに出る。その坂道がローマに来る度に歩く私たちの気に入りの散歩道なんだ。

サンタ・マリア・インマコラータ・コンチェツィオーネ教会

ヴェネト通りの坂道にあるのが、長い名前を持つサンタ・マリア・インマコラータ・コンチェツィオーネ教会。(その外観が下の画像。)

イタリアの首都ローマにあるサンタ・マリア・インマコラータ・コンチェツィオーネ教会(骸骨寺)の外観

この教会は西暦1626年に枢機卿アントニオ・バルベリーニの為に建立されたんだそうな。その枢機卿の生家であるバルベリーニ家はイタリアの古都フィレンツェの裕福な商家なんだけど、アントニオの兄はローマ教皇ウルバヌス8世だった。

そのローマ教皇ウルバヌス8世はイタリア・バロックの芸術家ベルニーニの支援者でもあった。そんな関係からか、この教会の近くにあるベルベリーニ広場にはベルニーニの手によるトリトーネの噴水が残されているね。

ついでながら、ヴァティカンのサン・ピエトロ大聖堂の中にあるベルニーニの作品ブロンズのバルダッキーノ(天蓋)の土台には、教皇ウルバヌス8世の生家バルベリーニ家の紋章も付いている。

更についでの話なんだけど、ヴァティカン美術館・博物館の中の火災の間ラファエロの工房の作品で名高い部屋)を出ると、そこには教皇ウルバヌス8世の礼拝堂もある。火災の間とは違って、観光客は誰もそこでは足を止めないけどね。

実はローマの観光名所「骸骨寺」

ちょいと余計な話が長くなってしまった。上の画像のサンタ・マリア・インマコラータ・コンチェツィオーネ教会の中に入ろう。その内部の様子が下の画像なんだ。

イタリアの首都ローマにあるサンタ・マリア・インマコラータ・コンチェツィオーネ教会(骸骨寺)の内部

この教会、実はローマの観光名所のひとつとなっている「骸骨寺」だったりする。地下墓所やその周辺には、数千人分の修道士の遺骨が置かれている(装飾・・・なのかな・・・)。残念ながら(いや、幸いにして・・・かも)、地下墓所は撮影禁止だからここで無数の骸骨(ガイコツ)の画像をお見せできないんだけどね。

「ローマの休日」で名高いスペイン階段・スペイン広場

ヴェネト通りの坂を下り、やがて右に折れて少し歩く。やって来たのは、映画「ローマの休日」で有名なスペイン広場・スペイン階段だね。そのスペイン階段の上から私たちを見下ろしているのが、フランス王ルイ12世の命によって建立されたトリニタ・ディ・モンティ教会(下の画像)だ。

イタリアの首都ローマにあるスペイン広場・スペイン階段の上のトリニタ・ディ・モンティ教会

ついでながら、上の画像に見える教会の前のオベリスクは、西暦1789年にローマ教皇ピオ6世の命によって立てられたもの。このピオ6世は、ヴァティカン美術館・博物館の中にあるピオ・クレメンティーノ美術館を作った人物なんだそうな。でも、フランス革命政府と対立し、やがてナポレオン軍によって廃位されたとか。

ついでながら、このスペイン広場から続くコンドッティ通りには、聖ヨハネ騎士団(マルタ騎士団)の本部もあれば、ローマの老舗カフェ・グレコもある。またスペイン広場からちょいと歩いてポポロ広場まで行けば、サンタ・マリア・デル・ポポロ教会イタリア・バロックの画家カラヴァッジョの絵を見ることもできるね。



ローマ・ヴァティカンについては

この「第一部 ソレント・アマルフィ編」に登場するローマはこれだけなんだ。でも、ローマについては、この旅行記のフィナーレにあたる「第四部 ローマ・ヴァティカン編」で、たっぷりとご紹介するからね。

これから旅をするイタリア南部カンパーニャ地方(アマルフィパエストゥムナポリなど)に興味の無い方は、第一部から第三部をとばして「第四部 ローマ・ヴァティカン編」に直行しても良いかもしれないね。


次のページは 「A06. パドレ・ピオの列聖」



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