東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「カンパーニャとローマ・ヴァティカン」(イタリア)

第四部 ローマ・ヴァティカン編

D30. コンドッティ通りと聖ヨハネ(マルタ)騎士団本部

ローマのコンドッティ通りと聖ヨハネ(マルタ)騎士団本部のビル

朝からヴァティカン美術館・博物館サン・ピエトロ大聖堂をたっぷりじっくりと見て歩き、すっかり疲れ果ててしまった。が、今回の旅での私たちは根性が入っている。直ちにタクシーに乗って、次の目的地へとやってきたんだ。タクシーを降りたのは、ローマの名所スペイン階段近くのコンドッティ通り。たくさんの高級ブティックが立ち並ぶのが、このコンドッティ通りだね。

イタリアの首都ローマのコンドッティ通りと聖ヨハネ(マルタ)騎士団の本部のあるビル

上の画像の左手に見えているビルの1階にはエルメスの店が入っているんだけど、そのビルの角の2階部分に看板のようなものがあるよね。小さくて申し訳ないけど。そこには聖ヨハネ(マルタ)騎士団の表示があるんだ。このビルが私が目指してきた場所みたいだな。エルメスの店は建物の店子で、家賃収入は騎士団に入っているのかな、余計なお世話だけど。

聖ヨハネ(マルタ)騎士団の主権と治外法権

目指す聖ヨハネ(マルタ)騎士団本部のある建物はわかった。が、その入り口はどこだろうか。ビルの周囲を歩き回って見つけたのが、下の画像の表示だった。ここが聖ヨハネ(マルタ)騎士団の本部の入り口みたい。

イタリアの首都ローマのコンドッティ通りにある聖ヨハネ(マルタ)騎士団の本部の入り口の表示

上の画像にも書いてあるけれども、聖ヨハネ(マルタ)騎士団は一般の国と同様に主権を持っている。その主権は世界で100近い国々によって認められているんだそうな。日本は承認していないけどね。国連でもオブザーバーとして参加が認められているらしい。しかも、この建物の敷地の中では治外法権も認められている。

聖ヨハネ(マルタ)騎士団本部には入れなかった

ローマまで来て見つけた聖ヨハネ(マルタ)騎士団の本部なんだけど、その入り口は鉄格子で閉ざされていた。中に入ることも出来ず、その鉄格子の隙間からデジカメを構えて撮ったのが下の画像だ。できれば中に入って聖ヨハネ(マルタ)騎士団の資料や切手などを買いたかったんだけどね。

イタリアの首都ローマのコンドッティ通りにある聖ヨハネ(マルタ)騎士団の本部の敷地

ちなみに、この聖ヨハネ(マルタ)騎士団は元々は11世紀にアマルフィの商人たちによって聖地で設立された病院組織だった。その後、13世紀末にはキプロスに移っている。更にはロードス島に移ったものの、西暦1522年のオスマン・トルコ軍の侵攻によってロードス島をも奪われている。

本拠地を失った聖ヨハネ騎士団に対して、ハプスブルク家のスペイン王カルロス1世(皇帝カール5世)が与えたのがマルタ島だった。以後はマルタ騎士団とも呼ばれるわけだ。西暦1565年にはオスマン・トルコの大軍がマルタ島の攻略を目指して上陸している。が、騎士団は島を守り抜き、要塞都市ヴァレッタを建設している。更には彼らはレパントの海戦にも参加して勝利を得たんだ。

ところが、西暦1789年のフランス革命の後、エジプト遠征途上のナポレオンによってマルタ島を奪われ、騎士団は流浪をすることになった。西暦1815年のナポレオン没落後もマルタ島はイギリスの支配下にあり、騎士団には返還されなかった。西暦1834年、ローマ教皇の命により、聖ヨハネ(マルタ)騎士団の本部がローマに移されて今に至るというわけだ。

ローマの老舗カフェ・グレコ

目指していた聖ヨハネ(マルタ)騎士団の本部に入ることが出来ずにガッカリではあったけれども、その代わりに入ったのが西暦1760年にオープンしたというローマの老舗カフェ・グレコ(下の画像)だった。

イタリアの首都ローマのコンドッティ通りにあるカフェ・グレコ

ローマでも著名なこのカフェには、メンデルスゾーン、ベルリオーズ、リスト、ワーグナー、ニーチェ、スタンダール、ボードレール、横山大観など多くの名高い芸術家たちが通っていたんだそうな。

さてと、続いてはコンドッティ通りの端にあるスペイン広場・スペイン階段へ行こう。あの映画『ローマの休日』で有名な場所だよね。


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