東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「カンパーニャとローマ・ヴァティカン」(イタリア)

第四部 ローマ・ヴァティカン編

D32. ローマのポポロ広場、ポポロ門、双子教会

ポポロ広場のポポロ門はローマの北の入り口だった

ローマの休日で名高いスペイン広場・スペイン階段から北西に歩いて15分ほどで到着するのがポポロ広場。下の画像はそのポポロ広場の眺めなんだけど、画像の中央に見えているのがポポロ門。その右手に見えているのが、サンタ・マリア・デル・ポポロ教会だね。

イタリアの首都ローマのポポロ広場にあるポポロ門とサンタ・マリア・デル・ポポロ教会

サンタ・マリア・デル・ポポロ教会は後でじっくりと見て歩くけれども、まずはポポロ門について。かつてフラミニオ門と呼ばれていたポポロ門は、中世のローマの北の玄関口だった。北からローマに到着した旅人は、このポポロ門で身分証明書などを提示し、市内に入る許しを得たんだそうな。

西暦1786年10月29日、アルプスの北からイタリアにやって来た旅人がこのポポロ門からローマに入っていった。その人物こそはドイツの文豪ゲーテ。彼はローマのあちこち、更にはナポリにまで足を伸ばした。ローマを出てドイツに帰って行ったのは西暦1788年4月のことだった。

ローマ教皇シクストゥス5世が立てたポポロ広場のオベリスク

北からの旅人がポポロ門からローマ市内に入ったところにあるポポロ広場。その広場に立っているのが、下の画像にあるオベリスクなんだ。このオベリスクを立てさせたのはローマ教皇シクストゥス5世。ポポロ門を目指す巡礼たちの目印とする為だった。

イタリアの首都ローマのポポロ広場に立つオベリスク

西暦1589年にポポロ広場に立てられたこのオベリスクは、紀元前1200年頃に古代エジプトで作られたものとされている。アブシンベル大神殿で名高い古代エジプトの王ラムセス2世に近い時代のものなんだね。高さは 36メートルもあるんだそうな。

ところでポポロ広場にオベリスクを立てさせたローマ教皇シクストゥス5世は西暦1585年に教皇となっている。たまたまその時にローマに滞在していた日本の天正遣欧少年使節は彼の即位の式典に参列したんだそうな。

ポポロ広場の噴水

ポポロ広場に立つオベリスクの下には、噴水があった。それが下の画像なんだ。

イタリアの首都ローマのポポロ広場に立つオベリスクの下の噴水

長い長い旅の果てにローマに到着し、ポポロ門を入った人々を迎える噴水だね。この水が旅人たちの咽喉をうるおしたんだろうか。

ポポロ広場から見た双子教会

上の噴水の画像の左端にも見えているけれども、このポポロ広場には双子教会として知られている二つの教会がある。それが下の画像なんだ。

イタリアの首都ローマのポポロ広場で見た双子教会

この二つの教会の正式名称は、左側がサンタ・マリア・イン・モンサント教会、右側がサンタ・マリア・ディ・ミラーコリ教会。見事に左右対称に見える双子教会なんだけど、実は微妙に形や大きさが違う。右側の教会の方が敷地が大きいんだけど、それを感じさせないような設計になっているらしい。

この双子教会にもイタリア・バロックの旗手ベルニーニが絡んでいる。西暦1674年から翌年にかけて、ベルニーニは左側のサンタ・マリア・イン・モンサント教会の建設工事の監督官だった。但し、ベルニーニが何処までこの教会の建設に関与したかは明らかではない。基本的には双子教会を設計したのはカルロ・ライナルディという人物だったとされている。

ポポロ広場の東にはピンチョの丘

双子教会から視線を左に移せば、ポポロ広場の東に広がるピンチョの丘(下の画像)が見える。

イタリアの首都ローマのポポロ広場から眺めたピンチョの丘

この丘に登れば、ヴァティカンのサン・ピエトロ大聖堂ミケランジェロのクーポラ(円屋根)まで見ることが出来る ・・・ らしい。登ってみたくはあるんだけど、今日は暑すぎるからね。

それにピントリッキオ、ラファエロカラヴァッジョ、ベルニーニなどルネサンスからバロックにかけてのイタリアの芸術家たちの作品が残るサンタ・マリア・デル・ポポロ教会(詳しくは次のページから)をじっくり時間をかけて見て歩きたいからね。


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