東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「カンパーニャとローマ・ヴァティカン」(イタリア)

第四部 ローマ・ヴァティカン編

D35. ベルニーニの天使

サンタ・マリア・デル・ポポロ教会で見たベルニーニの天使

イタリアの芸術作品で描かれた人物の中には、とっても美しくて魅力的な女性が多いよね。その筆頭がローマのサン・ピエトロ大聖堂にあるミケランジェロのピエタ(哀しみの聖母像)であり、フィレンツェにあるラファエロの小椅子の聖母だと私は確信しているんだ。

イタリアの首都ローマのサンタ・マリア・デル・ポポロ教会で見たバロックの巨匠ベルニーニによる天使

でも、このサンタ・マリア・デル・ポポロ教会の中で見た上の画像の左側の天使もとっても魅力的だよね。この天使、実はイタリア・バロックの巨匠ベルニーニの作品だったりする。

ちなみに、西暦2013年12月に公表されたローマ・カトリック教会の見解によれば、天使には翼はないし、子供でもないらしい。ついでに天使(英語の「エンジェル」)の語源は古代ギリシャ語の「アンゲロス」らしいけど、その意味は「使者」なんだそうな。

ベルニーニによるオルガンの装飾

いきなり天使の画像をお見せしちゃったけど、実はこれはベルニーニが手がけたオルガンの装飾(下の画像)の一部なんだ。ピントリッキオのフレスコ画「キリスト降誕」があるデッラ・ローヴェレ家の礼拝堂の奥にあるオルガンなんだけどね。

イタリアの首都ローマのサンタ・マリア・デル・ポポロ教会で見たバロックの巨匠ベルニーニによるオルガンの装飾

このサンタ・マリア・デル・ポポロ教会のオルガンは、樫の木に包み込まれている。実は樫の木は当時のローマ教皇アレクサンデル7世の生家キージ家の紋章だったそうな。

ヴァティカンのサン・ピエトロ大聖堂の中のカテドラ・ペトリ(聖ペテロの司教座)のページにも書いたけど、一度はローマ教皇庁の寵児の座から滑り落ちたベルニーニを再びローマ美術界の主役にさせたのが教皇アレクサンデル7世だった。そんな教皇に対する感謝の気持ちを込めて、ベルニーニは樫の木をモチーフにしたのかもしれないね。

このサンタ・マリア・デル・ポポロ教会には、ローマ教皇アレクサンデル7世の生家キージ家の礼拝堂がある。もう話が見えているだろうけど、そこにもベルニーニの作品があるんだ。詳しくはまた別のページで書くけどね。

サンタ・マリア・デル・ポポロ教会の主祭壇

イタリア・バロックの巨匠ベルニーニが装飾したオルガンの左手にあるのが、サンタ・マリア・デル・ポポロ教会の主祭壇(下の画像)なんだ。

イタリアの首都ローマのサンタ・マリア・デル・ポポロ教会の主祭壇とビザンティン時代の板絵「マドンナ・デル・ポポロ」

上の画像の中央に小さな聖母子画があるのが見えるかな。これが13世紀のビザンティン帝国の板絵なんだそうな。「マドンナ・デル・ポポロ」と呼ばれている作品。近づくことが出来なかったから、望遠で撮影してみたんだけど、ここに掲示することの出来る画像にはならなかった。残念。

主祭壇の左奥にもピントリッキオのフレスコ画があるけど ・・・

この主祭壇の奥の左手には、ピントリッキオのもう一つのフレスコ画「デルフォイの巫女」があるらしい。でも、そこまで入っていくことが出来なかった。ここは美術館じゃなくて教会だから、仕方ないかな。

さて、気を取り直して、主祭壇から左に進もう。そこにある小さな礼拝堂(チェラージ礼拝堂)で見ることが出来るのは、カラヴァッジョの二つの絵なんだ。(詳しくは次のページで。)


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「D36. カラヴァッジョの聖ペテロと聖パウロ」



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