東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

春のブルガリア
東欧(1997年5月)



15. リラの僧院のお宝 (ブルガリア)

10世紀に建てられ、オスマン・トルコの支配下においても、ブルガリアのキリスト教文化を守り続ける拠点となっていたのが、このリラの僧院(修道院)

でも、リラの僧院はブルガリア正教の中心じゃない
ときどき間違っている資料を見るけど、リラの僧院は少なくとも今はブルガリア正教の総本山というわけじゃないんだ。(観光に関しては、総本山かもしれないけど...。)

現在のブルガリア正教の中心は、ソフィア市内のアレクサンドル・ネフスキー教会(正確には、大聖堂)。そこがソフィアの主教座聖堂だからね。


リラの僧院の中庭に立つフレリョの塔 (ブルガリア) 但し、リラの僧院の建物は、何度も何度も戦火に焼かれて立て直されているんだ。

現在のリラの僧院の建物も、その大部分は19世紀の半ばに建てられたものだって。

でも、右の画像にあるフレリョの塔は、14世紀の建物なんだそうな。

高さを除けば地味な建物だし、一階は売店として使われているけど、ある意味じゃこのフレリョの塔は、リラの僧院(修道院)のお宝ともいえるんだね。




リラの僧院の宝物殿 (ブルガリア)

フレリョの塔の奥に進めば、リラの僧院(修道院)の宝物殿(お宝の博物館 ??)がある。まず見せてもらったのが、中世ブルガリアの誇る美しく装飾された本。

でもね、ここにあるのはレプリカなんだって。本物のお宝は、イギリスはロンドンにある大英博物館などに展示されているらしいよ。

ガイドのシルヴィアさんによれば、ブルガリア政府が大英博物館に返還を要求しても、なんだかんだと言って返してくれないんだってさ。そういえば、ギリシャのアクロポリスでギリシャ人のガイドさんも同じことを言っていたけどね。

他には中世美術の粋を集めた「移動教会」。ちょっと大きめのノート・パソコンくらいの箱の中に、ミサのための十字架などが入っているんだ。箱を開いて組み立てれば、小さな祭壇になる。かつて、教会のない村を回る僧侶達が持ち歩き、村人達の為にミサをするのに使ったんだって。

(つまりは中世キリスト教の「ケータイ」やな。)

リラの僧院の最大のお宝は
「ラファエルの十字架」(ブルガリア)

リラの僧院で見たラファエルの十字架 (ブルガリア) リラの僧院の最大のお宝は、なんといっても「ラファエルの十字架」(右の画像は絵葉書)だろうな。

ラファエルという名の修道士が彫った木彫りの十字架なんだけど、聖書の中から選び出した140もの場面が彫り込まれている。

この十字架に彫られている人物は約 1,500人。しかも、それぞれの人物には、異なる表情が彫り込まれている。

完成までに12年間もかかったらしい。完成後、修道士ラファエルは視力を失ったんだそうだ。

【参考】都市別ツアー


【参考】ホテル検索


関連書籍

参考になる・・・かもしれない本を探してみました。(本の題名をクリックすれば詳細が表示されます。)

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