東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「エミリア・ロマーニャとトスカナ(イタリア)」

30. サン・マリノ共和国からボローニャ

サン・マリノ共和国に立つガリバルディの胸像

そろそろサン・マリノ共和国ともお別れの時間だ。というわけで、街の城門へ向かう途中に見かけたのが、彫刻家ガレッティの手によるジュゼッペ・ガリバルディの胸像(下の画像)だった。

サン・マリノ共和国に立つ近代統一イタリア王国成立の英雄ガリバルディの胸像

西ローマ帝国が崩壊し、テオドリック大王の東ゴート族が滅亡した後、イタリアは多くの国に分裂していた。そんな分裂していた母国を統一し、近代イタリア王国を成立させた英雄が上の胸像に見るガリバルディだった。

そんなガリバルディの胸像が何故にサン・マリノ共和国に ・・・。19世紀半ばのことなんだけど、イタリア統一を夢見る人々が西暦1848年にローマ共和国を樹立したことがある。そのローマ共和国の軍を率いていたのがガリバルディだった。ところが周囲の大国の介入に敗れ、西暦1849年にガリバルディと 1,500名の兵士たちはサン・マリノ共和国に逃げ込んで来た。

結局、サン・マリノ共和国を包囲するフランスやオーストリアの大軍の圧力もあり、サン・マリノ共和国の元首はガリバルディたちに武装解除を求めた。やむなくガリバルディは部隊の解散を命じたらしい。それでも部隊の解散命令に従わない義勇兵 250名を率いたガリバルディは、サン・マリノ共和国から落ちていったんだそうな。イタリア統一を目指す彼の戦いはまだしばらく続いたわけだ。

サン・マリノの聖フランチェスコ門を出る

ちょいと脇道にそれてしまったけど、そろそろサン・マリノ共和国にお別れしなきゃね。聖フランチェスコ門(下の画像)から街の外に出る。

サン・マリノ共和国の聖フランチェスコ門を出る(イタリア)

すぐそこに数台のタクシーが客待ちをしていた。これは有り難い。タイミングよくタクシーがつかまるかどうか、ちょいと心配していたんだ。すぐにタクシーに乗り込み、リミニ駅に向かう。

サン・マリノからリミニ駅まではタクシーで約30分、料金は日本円で 5,000円ほどだった。リミニ駅に到着したのは 15時半過ぎ。ボローニャに戻るには良い時間だね。

リミニ駅から列車でボローニャ中央駅へ

リミニ駅のホームのカフェでカプチーノとオレンジ・ジュースを飲みながら列車を待つ。やがて私たちが乗り込んだのは 16時07分初のボローニャ行きの IR (インター・リージョン つまり中距離列車)だった。有り難いことにファースト・クラスの車両も接続されている。しかも、コンパートメント(客室)はがらがらだった。おかげでのんびりとボローニャに戻ることが出来るね。

広い 6人用のコンパートメントを家内と私の二人で占領する。列車が動き始めるや否や、横になった家内は爆睡に陥っている。サン・マリノを歩き回って疲れたから無理もないね。

やがて大粒の雨が降り始めた。慌てて列車の窓を閉める。私たちがサン・マリノを歩きまわっている間、雨が降らなかったのは幸運だったね。

ボローニャのレストランでヒツジの脳みそを食べた

ボローニャ中央駅で列車を降り、駅前にあるホテルに戻る。部屋でちょいと休憩だ。やがて日も暮れた。ボローニャの斜塔ちかくにあるレストラン「パッパガッロ」に入る。ここは土地の伝統的な料理を食べさせることで評判の店なんだそうな。

ボローニャのレストランで飲んだアルバーナ・ディ・ロマーニャの白ワインのエチケット(イタリア)

  • まずはワイン。以前から飲みたいと思っていたアルバーナ・ディ・ロマーニャの白ワイン(上の画像はそのエチケット)を選んだ。イタリアで初めて DOCG となった白ワインらしい。悪くはない。でも、期待したほどでもなかったけどね。

  • 家内の前菜はボローニャ風パスタ。早い話がイタリアきしめんだな。麺がぺっちゃんこのスパゲティだ。家内は絶賛しているけど、丸いスパゲティの好きな私には歯ごたえがもう一つなんだけどね。

  • 私の前菜はカラスミのスパゲティ。ゆで具合がもう一つ。昨夜のトッレ・デ・ガルッツィのスパゲティの方が好きだな。

  • 家内のメインはコトレッタ・アッラ・ボロネーゼ。昨夜も同じ料理を食べている。よっぽど気に入ったんだね。

  • 私のメインはフリット・ミスト・アッレミリアーナ。つまりは、エミリア風ミッスクド・フライということらしい。特にズッキーニのフライの揚げ具合がよろしい。が、今夜の主役はヒツジの脳みそのフライ。おそるおそる口に運ぶ。 ・・・ ん、悪くないかも。柔らかくて、白子よりもあっさりとした食感だ。

    ついでながら、ヒツジの脳みそは地元では離乳食として赤ん坊に与えられるとか。栄養豊富で消化に良いとされている。さすが、イタリアはイタリアだ。赤ん坊の頃から濃い人生だね。


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