東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「エミリア・ロマーニャとトスカナ(イタリア)」

51. フィレンツェのドゥオモ(花の聖母マリア大聖堂)

フィレンツェのドゥオモ(花の聖母マリア大聖堂)

今日は長い一日だった。中世の塔の街サン・ジミニャーノを歩き、そこからフィレンツェに移動し、ウフィツィ美術館を観た。さすがに疲れたね。夕食の時間までホテルの部屋で休憩かな。

ところが、今日の家内はいつにも増して貪欲だ。ホテルに戻るにしても、ちょいと遠回りして、ドゥオモ(花の聖母マリア大聖堂)を観て行きたいと言う。3年前に見たドゥオモは曇り空の下だった。今日は青空に映えるフィレンツェのドゥオモを見たいらしい。異議なし。

フィレンツェのドゥオモあるいは花の聖母マリア大聖堂(イタリア)

というわけで、回り道をして見た青空の下のフィレンツェのドゥオモが上の画像だ。確かに大聖堂の上のクーポラや白・ピンク・緑の大理石は青空の下でこそ映えるよね。

ドゥオモ(花の聖母マリア大聖堂)の脇に立つジョットの鐘楼

上の画像の右側に見えているのはジョットの鐘楼なんだけど、そのジョットの鐘楼を真下から見上げた様子が下の画像なんだ。

フィレンツェのドゥオモあるいは花の聖母マリア大聖堂の脇に立つジョットの鐘楼(イタリア)

このジョットの鐘楼の内部にある階段を登れば、最上階からフィレンツェの素晴らしい眺めを楽しめるんだそうな。でも、その階段は414段もあるらしい。夕食前のお腹が空いている状態で、そんな無謀なことが出来るはずも無いよね。

ドゥオモの前にあるサン・ジョヴァンニ洗礼堂

フィレンツェのドゥオモとジョットの鐘楼を見たら、その前にあるサン・ジョヴァンニ洗礼堂を見落とすわけにはいかないよね。

フィレンツェのドゥオモあるいは花の聖母マリア大聖堂の前にあるサン・ジョヴァンニ洗礼堂の中のモザイク画「最後の審判」(イタリア)

上の画像はそのサン・ジョヴァンニ洗礼堂の中にあるモザイク画「最後の審判」なんだ。ちなみに、サン・ジョヴァンニとは聖ヨハネのこと。ヨルダン川でイエス・キリストに洗礼を施した人物だね。

ちなみに、このサン・ジョヴァンニ洗礼堂の建設が始まったのは11世紀のこと。完成したのは西暦1202年だったそうな。つまりは今のドゥオモの建設工事が始まる前からサン・ジョヴァンニ洗礼堂はここにあったわけだね。

フィレンツェのドゥオモ(花の聖母マリア大聖堂)の歴史

ついでと言ってはなんだけど、ここでフィレンツェのドゥオモ(花の聖母マリア大聖堂)に関係する歴史をまとめておくかな。

  • 1265年、サン・ジョヴァンニ洗礼堂でダンテ(「神曲」で名高い)が洗礼を受けた。

  • 1294年、フィレンツェのドゥオモ(大聖堂)の設計がアルノルフォ・ディ・カンビオに依頼された。

  • 1296年、アルノルフォ・ディ・カンピオの設計により、ドゥオモの建設が始まった。

  • 1352年、ビガッロの回廊の建設が始まった。

  • 1334年、ジョットの鐘塔の工事が始まった。

  • 1340年、フィレンツェのドゥオモ建設に刺激を受けたシエナのドゥオモの拡張工事が始まった。

  • 1348年、黒死病(ペスト)の流行により、フィレンツェやシエナでもドゥオモの建設工事が停まった。フィレンツェでの工事は翌年には再開されたけれども、シエナの工事は再開されることはなかった。

  • 1376年、ランツィの回廊の建設が始まった。

  • 1401年、サン・ジョヴァンニ洗礼堂の門扉制作者コンクールにギベルティが優勝。敗れたブルネレスキは建築家に転向した。

  • 1420年、ドゥオモのクーポラの設計コンクールが行われた。優勝したのは、ローマで古代建築を学んだブルネレスキだった。

  • 1434年、フィリッポ・ブルネレスキの設計によるクーポラが完成し、フィレンツェのドゥオモの建設工事が完了した。

  • 1461年、クーポラの上のランタンが完成した。

  • 1478年、パッツィ家の陰謀によってフィレンツェのドゥオモにおいてロレンツォ・デ・メディチの命が狙われた。

  • 1887年、ドゥオモのファサードが完成した。

余談ながら、フィレンツェのドゥオモを完成させたブルネレスキは芸術家・建築家としてだけではなく、企業家としても有能だったみたい。彼はフィレンツェの左官を起用せずロンバルディア出身の左官ばかりを使ったんだけど、その理由はストライキが少ないということだった。また、クーポラの建築現場には売店を設け、パンやワインを販売していたそうな。

そうそう、最後にとっても大事なこと。ドゥオモやジョットの鐘楼、そしてサン・ジョヴァンニ洗礼堂は多くの芸術作品によって飾られてきたんだけど、今ではその多くがレプリカに置き換えられている。そのオリジナルはといえばドゥオモ博物館(大聖堂付属博物館)に展示されているんだ。そちらに入らないと大事なものを見落としちゃうよね。


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