東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅
春のルーマニア
東欧(1998年5月)


12. ビエルタンの要塞教会
(トランシルヴァニア、ルーマニア)

トランシルヴァニアの街シビウで、ルーマニア正教の大聖堂ルター派プロテスタントの教会カトリックの教会を見た後、バスに乗ってシビウの街を出発したのが10時半。

それから田舎道を走り続けること1時間半。12時過ぎにビエルタンの村に到着。

ビエルタンの要塞教会
(トランシルヴァニア、ルーマニア)

ビエルタンの要塞教会遠望(トランシルヴァニア、ルーマニア) このビエルタン村の中央には、周囲を城壁で囲まれて要塞化された教会(右の画像)があるんだ。

守りを固める目的は、言うまでも無いことだけど、オスマン・トルコの兵士達による略奪を防ぐためだよね。

ルーマニア南部のワラキア地方は14世紀末のミルチャ老公ドラキュラのモデルとなったヴラッド・ツェペシュのおじいちゃん)の時代からオスマン・トルコの侵入を受け、ドラキュラのモデルともなったヴラッド・ツェペシュの死後にはオスマン・トルコの支配下に入り、ルーマニア公国(後に王国)として独立を回復したのは19世紀のこと。

つまり、5世紀という長い間、ルーマニアの人々はオスマン・トルコの兵士達に脅えながら暮らしていたんだ。(但し、トルコの直接支配を受けたブルガリアと違って、ルーマニアは間接支配を受けただけなんだけど。)

階段を登って要塞教会へ
(トランシルヴァニア、ルーマニア)

ビエルタンの要塞教会の階段(トランシルヴァニア、ルーマニア) 要塞教会と取り囲んでいるのは、二重三重に築かれた城壁。その一角に設けられた城門の扉を、ガイドのイヴァンカ嬢がノックする。

門番氏が姿を見せたんだけど、「ちょっと食事中だから10分待ってくれ。」とのこと。門番氏も御飯を食べるわな。

やがて開いた扉の中に入り、薄暗い階段(右の画像)を登る。この上に要塞教会があるんだ。




城砦のようなビエルタンの要塞教会(トランシルヴァニア、ルーマニア) 薄暗い階段を登りきったところにあるのは、右の画像にある教会の建物。なるほど確かに城砦みたいだね。

この要塞教会が建てられたのは14世紀のこと。なるほど、台頭するオスマン・トルコがヨーロッパ側に領土を広げつつあった頃だね。

ちなみに、この要塞教会を建てたのは、「サス族」の人たち。つまり、ドイツ系(「サス」=サクソン)の人々だね。

ビエルタンの要塞教会の祭壇にある彫刻 キリストの磔刑(トランシルヴァニア、ルーマニア) 教会の中には、四つの旗が掲げられている。それぞれの旗は身分を示し、その身分に属する人々は、自分達の旗の下に集まるらしい。

その旗の一つにはブドウが描かれていたんだけど、ブドウを栽培する農民達の旗なのかな。

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