東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

バルセロナで冬の休暇
(スペイン 1995年12月)


1995年12月24日(日曜日)

05. ピカソ美術館 -1. (バルセロナ、スペイン)

旅の三日目、早起きをしてホテルを出る。というのも、今日の最初の観光は「ピカソ美術館」なんだ。たぶん、開館前から観光客が行列を作るだろうから、ちょっと早めに出たほうが良いと考えたわけだ。

ピカソ美術館の入り口(バルセロナ、スペイン) ところが実際にピカソ美術館の入り口(右の画像)に着いてみると、行列も大したことはない。今日はクリスマス・イヴだから、キリスト教徒の連中は観光に出歩いていないんだろうな。

ところで、どうして「ピカソ美術館」がバルセロナにあるのか ?? それは、ピカソが少年時代をすごした街がバルセロナだったから。

パブロ・ルイス・ピカソとバルセロナ(スペイン)

  • 1881年10月25日、アンダルシア地方の街マラガでピカソが生まれた。

  • 1891年、ピカソの一家は父親の仕事の都合でスペイン北部のガリシア地方に引越しをした。

  • 1895年、ピカソの一家がバルセロナに移ってきた。その年、ピカソは14歳になった。

  • 1897年、ピカソはマドリッドのアカデミーに入学。しかし、翌年にはバルセロナに戻ってきた。

  • 1900年、ピカソがパリ(フランス)に旅行した。

  • 1901年、ピカソが再びパリに旅行。

  • 1904年4月、ピカソがパリに移り住んだ。

  • 1936年、スペインにおいて内戦が勃発した。以後、ピカソがスペインの地に足を踏み入れることはなかった。

    余談ながら、このスペイン内戦における惨劇が、ピカソに「ゲルニカ」を描かせることになった。

  • 1973年4月8日、ピカソがパリで死去。

ピカソ美術館の絵葉書(バルセロナ、スペイン) ところで、このピカソ美術館の建物(右の画像は美術館の絵葉書)なんだけど、15世紀のゴシックなんだって。

その建物をバルセロナ市が買ったのが1953年。そして1963年、この建物の中にピカソ美術館がオープンしたというわけだ。

関連書籍

参考になる・・・かもしれない本を探してみました。(本の題名をクリックすれば詳細が表示されます。)




ピカソとフランコ独裁政権

このピカソ美術館がオープンした1963年当時のスペインは、フランコ独裁政権によって支配されていた。しかも、1904年からパリ(フランス)に移り住んでいたピカソは、1936年に勃発したスペイン内戦の頃から、独裁政権には反対の立場をとっていたんだ。だから、スペイン内戦勃発以後、ピカソはスペインに入ることが出来なくなったんだけどね。

そんなピカソの美術館をオープンさせるということは、フランコ統治下のスペインでは難しかっただろうと想像できるよね。でも、それをやっちゃうところが、スペイン(あるいはカスティリア)とは一線を画してきたカタルーニャらしいところかもしれないね。

バルセロナのピカソ美術館に大作は無いんだけど ...

「ピカソ美術館」と名づけられたこの美術館なんだけど、実はピカソの大作が展示されているわけじゃない。少年時代 あるいは 無名時代のピカソの作品が多く展示されているのが、このバルセロナのピカソ美術館なんだ。

展示されているピカソの作品の多くは、彼の両親が保存していたものや、ピカソ自身が寄贈したものなんだって。

しかし、子供の頃にピカソが描いた絵を見て驚いたね。既に芸術作品と言えるような絵だったんだ。ところが、私ときたら大人になって描いた絵でも「小学生の絵」だと評される始末。ピカソ美術館に行けば、画家になろうなんて気は完全に捨てることが出来ちゃうね。

ところで、残念なことに、この美術館の中ではカメラの使用が禁じられていたんだ。だから、ここでピカソの少年時代・無名時代の絵をお目に書けることが出来ない。その代わりといっては何だけど、次のページではピカソ美術館で買った絵葉書をご披露しようかな。

ピカソの「ゲルニカ」はマドリッド(スペイン)にある

スペイン内戦における悲劇を描いたピカソの大作「ゲルニカ」は、スペインの首都マドリッドの王立ソフィア王妃美術館にあるんだ。

詳しく知りたい方は、旅行記「春のスペイン」の中にある「ドン・キホーテとゲルニカ(マドリッド、スペイン)」のページを見てね。

【参考】都市別ツアー


【参考】ホテル検索


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