東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

パリに住んだ ・・・ つもりの 9日間 (フランス)

パリからロワール、ノルマンディー、シャルトルまで

35. シャルトル大聖堂の内部、シャルトル・ブルー

シャルトル大聖堂のステンド・グラスとシャルトル・ブルー

まずは外側をぐるりと廻って、フランスを代表するゴシック建築であるシャルトル大聖堂の外観を見てきたけど、いよいよ次はそのシャルトル大聖堂の中に入る。

フランスのシャルトル大聖堂の身廊のステンド・グラス

シャルトル大聖堂の中を歩けば、上の画像のようにどちらを向いてもステンド・グラスが輝いている。このステンド・グラス、それも有名なシャルトル・ブルーを見るために、わざわざパリから特急列車に乗って来たんだ。

ちなみに、このシャルトル大聖堂のステンド・グラスの鮮やかな色彩の光の中で戴冠式を挙げたフランス王がいる。伝統的にフランス王の戴冠式はランスのノートルダム大聖堂で行うとされているんだけどね。

それが西暦1589年にアンリ3世が亡くなった後にフランス王となったアンリ4世。元々プロテスタントだった彼の即位にはローマの教皇に従うカトリックは反対していた。ローマ教皇シクストゥス5世もアンリ4世を破門していたんだ。そんなカトリックがランスを支配下に置いていた。

そして西暦1593年にパリ郊外のサン・ドニ大聖堂でカトリックに改宗したんだけど、カトリック勢力は彼がランスに入ることを認めなかった。そんなわけで、西暦1594年にこのシャルトル大聖堂でフランス王アンリ4世として戴冠したというわけだ。

アンリ4世がこのシャルトル大聖堂で戴冠した背景なんだけど、アンリ4世の祖先に当たるフランス王ルイ9世聖王が完成させたのがこのシャルトル大聖堂だったということがあるんだろうね。つまり、ここで戴冠式を行うことで自分のフランス王としての正当性をアピールしたかったと。

ゴシック様式にお約束のバラ窓のステンド・グラス

パリ郊外のサン・ドニ大聖堂の中を歩いてステンド・グラスを見たページにも書いたけど、ロマネスク様式からゴシック様式になってステンド・グラスが設けられ、特に特徴的なのがバラ窓だというわけだ。このシャルトル大聖堂もそのサン・ドニ大聖堂の影響を受けて、ゴシック様式で建てられ、ステンド・グラスが設けられたらしい。

フランスのシャルトル大聖堂の南側バラ窓のステンド・グラス

そして上の画像は、さっきシャルトル大聖堂の外側をぐるりと歩いた時にも見た南側のステンド・グラス。13世紀のものなんだそうな。バラ窓のステンド・グラスにはキリストの栄光が描かれているらしい。その下の5列の窓のステンド・グラスには、中央に幼子を抱く聖母、その左右には4人の福音史家と4人の預言者が描かれているんだそうな。

シャルトル・ブルーのステンド・グラスと支柱の聖母

このシャルトル大聖堂のステンド・グラスは、シャルトル・ブルーと呼ばれる青いステンド・グラスで名高いよね。下の画像にあるステンド・グラスが、そのシャルトル・ブルーのイメージかな。

フランスのシャルトル大聖堂の支柱の聖母とステンド・グラスのシャルトル・ブルー

ちなみに、上の画像でシャルトル・ブルーのステンド・グラスの下に見えるのは、「支柱(上)の聖母」と呼ばれる聖母子像なんだ。16世紀初頭のものなんだそうな。

ステンド・グラス「ベル・ヴェリエールの聖母」

そして下の画像の左側に見えるのが、「ベル・ヴェリエールの聖母」と呼ばれるステンド・グラス。12世紀のもの。このシャルトル大聖堂の大部分が燃え落ちた西暦1194年の火災の際にも被害を免れたステンド・グラスなんだそうな。

フランスのシャルトル大聖堂のステンド・グラスのシャルトル・ブルー

このシャルトル大聖堂には200近い数のステンド・グラスの作品がある。そのうち、フランス革命の際に破壊されたのは8つだけで、殆どのステンド・グラスは無傷だったそうな。パリのシテ島にあるサント・シャペルのステンド・グラスが破壊されなかったことと並んで有り難い事だよね。

例えば、サン・ドニ大聖堂のフランス王家の墓所はフランス革命の際に破壊されているし、お隣のイギリスでは清教徒革命の際などにチェスター大聖堂のステンド・グラスが破壊されている。それに比べて、サント・シャペルやシャルトル大聖堂は幸運だったね。

ところで、ニースにシャガール美術館のある画家マルク・シャガールなんだけど、このシャルトル大聖堂でシャルトル・ブルーのステンド・グラスを熱心に勉強したらしい。彼が残したステンド・グラスもだけど、彼の絵の色彩にもシャルトル・ブルーは影響を残したのかな。


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