東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記「イタリア北部の旅」

07. ドゥオモ(大聖堂)博物館(フィレンツェ)

ギベルティの天国の扉のオリジナル

フィレンツェのサン・ジョヴァンニ洗礼堂のページでも書いたけど、扉の制作のコンクールで優勝したギベルティによる「天国の扉」は洗礼堂に取り付けられた。でも、洗礼堂で見ることのできる今の「天国の扉」はレプリカになっている。

フィレンツェのドゥオモ(大聖堂)博物館で見たギベルティの「天国の扉」のパネルのオリジナル(イタリア)

対して、オリジナルの「天国の扉」のパネルの一つが上の画像なんだけど、これはフィレンツェのドゥオモ(大聖堂)の脇にあるドゥオモ博物館(あるいは大聖堂付属博物館)で見ることが出来るんだ。

ドゥオモ(大聖堂)博物館

下の画像がドゥオモ(大聖堂)博物館の内部の様子。元々はフィレンツェのドゥオモ(大聖堂)やジョットの鐘塔、そしてサン・ジョヴァンニ洗礼堂にあった美術品を集めて展示しているのがこの博物館なんだね。

フィレンツェのドゥオモ(大聖堂)博物館の内部の様子(イタリア)

ちなみに、このドゥオモ(大聖堂)博物館は基本的に毎日開館しているんだけど、日曜日だけは午後は閉館するみたい(西暦2014年12月時点)。旅のスケジュールを考える際には気をつけないとね。

ドゥオモ博物館で見たミケランジェロの未完のピエタ

ミケランジェロのピエタといえば、ローマサン・ピエトロ大聖堂にあるものを思い出すよね。あのピエタはミケランジェロが20歳代の頃の作品だったそうな。

フィレンツェのドゥオモ(大聖堂)博物館で見たミケランジェロの未完のピエタ(イタリア)

ところが、彼はその後もいくつかのピエタを制作している。その一つがフィレンツェのドゥオモ(大聖堂)博物館にある「未完のピエタ」(上の画像)だった。このピエタは西暦1547年頃のものと考えられている。ミケランジェロは既に70歳を越えていたそうな。

その他にも彼のピエタとしては、このフィレンツェのアカデミア美術館にあるパレストリーナのピエタ、ミラノスフォルツェスコ城にあるピエタがある。いずれも未完成に終わっている。ミケランジェロは老いてもピエタを作り続けたんだね。あのローマのピエタに足りないものがあると彼は考えていたんだろうか。

ドゥオモ博物館で見たドナテッロの聖歌隊席

フィレンツェで生まれ、フィレンツェで亡くなったルネサンス期の彫刻家として名高い人物がドナテッロだね。彼はローマやシエナなどでも制作していたらしいけど、フィレンツェのドゥオモ(大聖堂)やジョットの鐘塔を飾る多くの作品も残している。

フィレンツェのドゥオモ(大聖堂)博物館で見たドナテッロの聖歌隊席(イタリア)

そんな作品の多くがこのドゥオモ(大聖堂)博物館に移されているわけだ。例えば上の画像にある「聖歌隊席」(西暦1438年頃に完成)などもそんなドナテッロの作品の一つなんだそうな。

ちなみに、サン・ジョヴァンニ洗礼堂で見た対立教皇ヨハネス23世の墓碑は、彼とミケロッツォが共同で制作したものらしい。またドナテッロの作品は、フィレンツェにおいてはバルジェッロ博物館サンタ・クローチェ教会でも見ることができるね。


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