東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

エミリア・ロマーニャ と トスカナ (イタリア)
1999 年 6 月


1999年6月22日(火曜日)
31. シエナに向かう

ボローニャを拠点に、ラヴェンナサン・マリノを訪ねてきた旅も、今日で四日目。九日間の旅も中盤にさしかかる。

さすがに少し疲れたらしく、目がさめたのは 8時。家内はまだまだ爆睡中。朝のうちにフェラーラへ行って来るという案も有ったのだけど、今日はのんびり行くことにしようか。ここで頑張って、後でバテるのもつまらないしね。

ホテルをチェック・アウト

11時にはホテルをチェック・アウト。3泊をすごしたボローニャとも、しばしのお別れだ。

ボローニャ駅から乗り込んだのは、ローマ行きの ESという列車。11時48分発の予定だったが、少々遅れて12時25分に発車。一昨日の列車事故の影響がまだ残っているみたい。

イタリアの列車

  • イタリアの鉄道で運行されている列車には、いくつかの種類がある。ES、EC、IC、IR、E ... などなど。

  • ESとは、ユーロ・スター・イタリアの略。といっても英仏海峡トンネルを走るユーロ・スターではない。1996年9月にイタリア北部を旅行したときには無かったから、英仏を結ぶユーロ・スターの人気に便乗して作ったんだろうねえ。

    二番煎じだろうと何だろうと、豪華な長距離特急列車であることは間違いない。

  • 続いて、ECはユーロ・シティ、ICはインター・シティ。どちらも長距離を結ぶ特急列車だ。

  • IRはインター・リージョンの略。中距離列車だ。昨日、私たちがリミニからボローニャに乗った列車が、この IR だった。

  • Eというのは、急行または快速だね。そして、普通のローカル列車。どちらも短距離を結んでいる。

ボローニャ - フィレンツェ - シエナ
そして、キャンティのワイン村

ボローニャからシエナへ略図 さて、今日の私たちの予定だけど、ボローニャからフィレンツェに向かい、そこでローカル列車に乗り換えてシエナ(右の略図)まで行く。

シエナからはタクシーに乗り、キャンティのワイン村に向かうことになっている。

トスカナの風景

ボローニャ駅を出発した ES は、やがて山の中を走り始める。この山々がボローニャの属するエミリア・ロマーニャ州と、フィレンツェやシエナの属するトスカナ州とを隔てているわけだ。

ボローニャからフィレンツェへ向かう列車の車窓から いくつものトンネルを通過し、列車は開けた土地を走り始めた。

ここはトスカナ州。エミリア・ロマーニャ州とは違って乾燥した気候の為、ブドウとオリーヴの栽培が盛んな土地だ。

私たちが乗っている列車は、直線に近い線路を猛スピードで走り続けている。しかし、かつてフィレンツェとボローニャとの間を結ぶ線路は、山の間をくねくねと登っていったらしい。

70年以上も前にフィレンツェからボローニャに向かって鉄道で旅をした和辻哲郎の旅行記には、「山をぐるぐるのぼって行く。」という表現がある。

フィレンツェで乗り換え

ボローニャからフィレンツェまでは列車で 1時間足らず。フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ駅に到着したのは、1時20分。しかし、出発が遅れたために到着も大幅に遅れている。

私たちが乗る予定のシエナ行きの列車は、1時25分発だ。乗り換えの時間は既に5分を切っている。しかも、私たちが到着したのが 9番ホーム、シエナ行きが発車するのは 1番ホーム。とにかく、スーツ・ケースをひきずって、走る、走る。予定では、乗り継ぎの合い間にカプチーノの一杯でも飲めるはずだったのに ... 。

ローカル列車の車内

息の上がった私たちが乗り込んだシエナ行きのローカル列車は、定刻通り 1時25分に発車。フィレンツェまで乗ってきた ES の乗客は外国人観光客とビジネス・マンばかりだったが、ローカル列車の乗客には地元の人が多いみたい。

車内を見渡せば、奇声を発している若者達のグループ、駅の売店で買ったピザにかぶりついているオバサン二人組、静かに本を読んでいる少女、そして漢方胃腸薬を服んでいる日本人のオジサン(私のこと)。

いつものことながら、旅に出ると暴飲暴食をしちゃうんだよねえ。ロンドンに戻ってからの話なんだけど、胃潰瘍と診断されちゃった。薬で治る程度のものだったんだけどね。

再び トスカナの風景

フィレンツェを出たローカル列車は、エンポリ駅で停車。ここで線路は左右に分かれる。右の行けば斜塔の街ピサ、左に行けば私たちの向かうシエナだ。

エンポリ駅を出てシエナに向かう私たちの列車の周囲には、トスカナの田園風景が広がっている。ときおり、遠くの丘の上に中世の城郭(下の画像)が見え隠れしている。多くの都市国家が戦いを続けていた中世のトスカナでは、多くの城が築かれていた。

トスカナの風景

列車に乗っている時間を利用して、トスカナにおける戦いの歴史(つまりは、フィレンツェによるトスカナ統一の歴史)でも勉強しておこうかね。興味のある方は、ココをクリックして下さいな。

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