東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

バルセロナで冬の休暇
(スペイン 1995年12月)


08. 海洋博物館 (バルセロナ、スペイン)

海の聖母マリア教会からランブラス通りに出てタクシーを拾う。行き先は海洋博物館だ。

海洋博物館にて(バルセロナ、スペイン) 博物館の中の私の気に入りの一つが、右の画像にある設備。船の模型に乗り込み、昔の航海の様子を疑似体験できるんだ。

スクリーンに嵐の様子が映し出され、風雨の音がヘッドフォンを通じて流れ、船の模型が揺れて船乗り気分を味わえるわけだ。

余談ながら、この海洋博物館は、元々は14世紀のアラゴン・カタルーニャ連合王国の王ペドロ4世が建てた造船所だった。ペドロ4世は、アラゴン・カタルーニャが地中海に雄飛した時代の王様なんだ。

アラゴン・カタルーニャの造船所(バルセロナ)

  • 1378年に建設が始まった。建設の主体となったのは、アラゴン・カタルーニャ王ペドロ4世・バルセロナ市・カタルーニャ議会だった。

    その財源には、カタルーニャの商人がビザンティン帝国エジプトなどと行う取引に課せられた税金が充てられた。

  • 1381年には、同時に 30隻のガレー船を建造する能力を持っていた。

  • 14世紀から16世紀半ばにかけての進水数は、ハンザ同盟の造船所を上回っていた。

  • 17世紀には、増築工事が行われている。

  • 18世紀には、砲兵部隊の営舎となった。

  • 20世紀には、バルセロナ市の所有となり、やがて海洋博物館とされた。

ついでながら、彼はランブラス通り近くに城壁を築き、バルセロナのカテドラル海の聖母マリア教会(サンタ・マリア・デル・マール教会)なども建てたらしい。




レパントの海戦に参加したガレー船の実物大復元模型

でもね、歴史に興味を持つ人間にとって絶対に見逃せないのは、レパントの海戦(1571年)に参加したガレー船 「ファン・デ・アウストリア」 の実物大復元模型かな。

スペイン・ヴェネツィア聖ヨハネ騎士団マルタ)・フィレンツェローマ教皇庁などのキリスト教徒の連合艦隊がトルコを中心とするイスラム教徒の艦隊を打ち破った有名な戦いにおいて、総司令官を務めたドン・ファン・デ・アウストリア(ハプスブルグ家の皇帝カルロス5世の庶子)が乗っていた船の復元模型なんだ。

レパントの海戦の頃の海兵(海洋博物館、バルセロナ、スペイン) 意外だったのが、その船の美しさ。戦う為の船なのに(いや、戦う為の船だからか)、非常に美しく装飾が施されていたんだ。

この博物館では、ガレー船の中を歩くことが出来るのもうれしかったね。

もう一つ有り難かったのは、そのガレー船の大きさを実感できたこと。資料などを読めば、長さ何メートルとか表示されているよね。でも、実感するのは、難しい。でも、この博物館のガレー船の復元模型(下の画像)は実物大だからね。その大きさを実感することが出来るというわけさ。

レパントの海戦に参加したガレー船の実物大復元模型(海洋博物館、バルセロナ、スペイン)

関連書籍

参考になる・・・かもしれない本を探してみました。(本の題名をクリックすれば詳細が表示されます。)

その他の海洋博物館の展示品

他にも海洋博物館には、色々な展示品があるんだ。例えば、コロンブスがアメリカを発見する航海において乗り込んだサンタ・マリア号の模型。

面白いのは、世界初の本格的な潜水艦「イクティオネ」の模型かな。このイクティオネは、1859年にカタルーニャ人によって開発された潜水艦なんだ。バルセロナ港で行われた実験では、水深20メートルを時速3ノットで潜航することに成功したらしいよ。

【参考】都市別ツアー


【参考】ホテル検索


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