東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

春のブルガリア
東欧(1997年5月)



02. ロシアとブルガリア

セント・ニコラス教会(ソフィア、ブルガリア) ブルガリアとロシアとは、歴史的にとっても親密な関係にあったみたい。そんな歴史を反映しているのか、ソフィア市内にはロシア正教の教会もあるんだ。

その一つが右の画像にあるセント・ニコラス教会。17世紀のモスクワの教会をモデルにして、1914年に建てられた教会なんだって。

残念ながらモスクワの何と言う教会をモデルにしたのかはわからない。モスクワには行ったことがないしね。ロシアの昔の首都だったサンクト・ペテルブルクには行ったことがあるんだけどな。

キリル兄弟の祭日(ソフィア、ブルガリア)

キリル兄弟の祭日(ソフィア、ブルガリア) なんだか町の広場がにぎやかだと思ったら、今日はお祭りらしい。キリル兄弟の祭日なんだって。

キリル兄弟といえば、頭に浮かぶのは、スラヴ系の諸国で使われているキリル文字だよね。

でも正確には、キリル兄弟が作った文字は「グラゴル文字」というらしい。いわゆる「キリル文字」を作り上げたのは、キリル兄弟の弟子でオフリダのクリメントという人物だったらしいよ。

とはいっても、キリル兄弟(キュリロスとメトディオス)は、スラヴ諸国にキリスト教を布教する上で多大な貢献をしたのも確かなことなんだ。兄弟はギリシャ正教の聖典やビザンチン帝国に伝わる書物をスラヴ語に翻訳し、ロシアなどのスラヴ諸国に広めたんだ。

その結果、兄弟が活躍した第一次ブルガリア帝国の全盛期(10世紀)のブルガリアの文語が、教会スラヴ語の成立に大きな影響を与えることになったわけだ。

関連書籍

参考になる・・・かもしれない本を探してみました。(本の題名をクリックすれば詳細が表示されます。)

ガイドのシルヴィアさんは怒っている !!

余談ながら、ツアーのガイドをしてくれているブルガリア人のシルヴィアさんがキリル兄弟に関して怒っていることがあるんだ。

というのも、キリル兄弟をロシア人だと勘違いしている日本人が多いんだって。「キリル兄弟はブルガリア人だ !!」と抗議していたよ。

私が調べたところでは、キリル兄弟の父親はモラヴィアからの移民だったみたい。でも、キリル兄弟はブルガリアで生まれたからブルガリア人かな...。

ちなみに、ガイドのシルヴィアさんは日本語がペラペラ。自己紹介によれば52歳の熟女なんだ。元々はロシア語を勉強していたけど、1970年代からは日本語を勉強している。日本の大学で勉強したこともあるらしい。

以前は大学の先生をしていたんだけど、今は転職して通訳やガイドをしている。外貨収入のある今の職業の方が稼ぎははるかに良いらしく、家も建てたし車も買った。経済の崩壊しているブルガリアでは、公務員をしてたんじゃそうはいかないらしいよ。




解放者騎馬像 ロシア皇帝アレクサンドル2世

ブルガリアは14世紀から19世紀にかけて、オスマン・トルコに支配されていたんだ。オスマン・トルコ支配下のブルガリアでは、政治や土地を支配していたのはトルコ人、商業や宗教を支配していたのはギリシャ人だった。

そして19世紀になり、次第に民族感情が目覚め、ブルガリアにおいても独立運動が盛んになってきた。1876年、ブルガリアにおいてオスマン・トルコに対する蜂起が起こった。でも、オスマン・トルコの兵士達によって鎮圧され、しかも多くの人々が虐殺される結果になった。

解放者騎馬像 ロシア皇帝アレクサンドル2世(ソフィア、ブルガリア) 翌年の1877年、ロシア帝国がオスマン・トルコに宣戦を布告。ルーマニアを通過してきたロシア軍がブルガリアに進出し、トルコ軍との戦いを展開した。その結果、1878年にはベルリン条約が結ばれ、ブルガリア公国が成立して、ブルガリアの人々は自治を回復することが出来た。

そして、ブルガリアの地で戦ったロシア軍将兵達の為に立てられたのが、右の画像にある解放者記念像(あるいは、ロシア将兵記念碑)。騎馬の人物は、ロシア皇帝アレクサンドル2世だって。

全くの余談なんだけど、このロシア皇帝アレクサンドル2世は当時のロシアの首都サンクト・ペテルブルクで爆弾テロによって暗殺されている。ブルガリアでは英雄になったのに、故国ではねえ・・・。

関連書籍

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国会議事堂 - 「統一は力なり」

国会議事堂 「統一は力なり」 (ソフィア、ブルガリア) 上の解放者騎馬像の向かいにあるのが、ブルガリアの国会議事堂(右の画像)。

画像の中では小さすぎて読めないけど、議事堂の入り口の上には、「統一は力なり」と書いてある。

14世紀のブルガリアが分裂の極みにあったために、進出してきたオスマン・トルコに対して満足な抵抗も出来なかったことに対する反省の言葉だろうかねえ。

【参考】都市別ツアー


【参考】ホテル検索


関連書籍

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