水辺のシュノンソー城の姿マルクの塔の脇からシュノンソー城に入り、城の中を見て歩き、対岸にあるドアから出る。その際に小さなプラスティックのプレートを渡されるんだ。対岸からシュノンソー城を眺め、城に戻る時にそのプレートを渡すことになっている。つまり、対岸に出たまま戻ってこない観光客をチェックしようというわけだね。その対岸を歩き、シュノンソー城が最も美しく見える場所を探す。気に入った場所を見つけてはレンズを向ける。周囲には同じようにカメラを構えている人が少なくない。誰もが水辺のシュノンソー城のベスト・ショットを撮ろうとしている。
そして私のシュノンソー城のベスト・ショットが上の画像だね。ちょいと暗いんだけど、もう少し日光があればうれしいんだけどね。更に、風が静かで水面にくっきりとシュノンソー城が映っていればね。でも、現地発着の日帰り観光バス・ツアーで時間もないし、上の画像が撮れただけでも有り難いと思うべきかな。
シュノンソー城を訪れたモンテスキュー、ヴォルテールなど西暦1589年にフランス王アンリ3世が亡くなり、王妃ルイーズ・ド・ロレーヌ・ヴォーデモンは喪服を着て修道女と一緒にこのシュノンソー城で暮らした。その後のシュノンソー城は相続人によって受け継がれていったらしい。やがて西暦1733年に売りに出されたシュノンソー城を買い取ったのは、徴税総請負人でお金持ちのクロード・デュパンだった。デュパン夫人はこのシュノンソー城でサロンを開き、ヴォルテールやモンテスキューなどがここに来ていたらしい。
プロシア王フリードリヒ2世はサン・スーシ宮殿にヴォルテールを招待したんだけど、彼はこのシュノンソー城にも来ていたんだね。他方、イギリスの首都ロンドンで議会政治を学んだモンテスキューは「法の精神」を著して三権分立を説き、フランス革命やアメリカ独立に影響を与えた人物だね。
シュノンソー城の修復西暦1864年にシュノンソー城の持ち主となったのが、プルーズ夫人だったらしい。彼女はシュノンソー城を16世紀半ばの頃の姿に戻そうとしたんだそうな。
ディアーヌの庭やカトリーヌの庭を復元したのも、プルーズ夫人だったらしい。その後のシュノンソー城は転々と売り渡され、西暦1913年に買い取ったのがチョコレート会社を経営するムニエ家だった。今もシュノンソー城はそのムニエ家の所有なんだそうな。
ロワール川流域のブドウ畑というわけで、今日の現地発着日帰り観光バス・ツアーで周るロワール川流域の古城めぐりも終わりだね。シャンボール城は外観だけだったけど、ブロワ城は外観も内部も楽しめたし、このシュノンソー城もたっぷりと楽しめた。満足。
シュノンソー城から走り出したバスの車窓からは、ときにブドウ畑(上の画像)なども見えていた。ロワール川が流域が広大だから、とても一口じゃ言えないけど、気軽なあっさりした白ワインが多いかな。ロワールの白ワインを夏の昼間に飲むのが私は好きだったりする。
アパルトマンの下の部屋の住人から苦情が ・・・今日は早起きして、朝の7時過ぎから観光に出発しただけに、疲れてしまった。夕食の後はアパルトマンでのんびり。そして夜の 21時。電話のベルが鳴る。はてさて、誰だろう。この部屋の電話番号を知っているのは、この部屋の大家さんだけなんけど...。受話器を取り上げる。男の声がフランス語でまくしたてる。もちろん私にはチンプンカンプン。そう英語で伝える。相手はしばしの沈黙。やがて、ゆっくりとした英語で話し始めた。英語は苦手らしい。少し優位に立った。 彼は下の部屋に住んでいるらしい。要は私たちの部屋の物音に迷惑しているというのだ。彼が数え上げた罪状の一は、音楽がうるさいということ。しかし、それは変だ。私たちの部屋にはCDプレーヤーもラジオもない。テレビはあるが、見ていない。 第2の罪は、早朝 5時半の風呂。あ、それは正確だ。まさしく私たちは今朝5時半に風呂に入った ・・・ 。その音で彼は目がさめてしまったとのこと。それは確かに申し訳なかった。 罪状の第3は、同じく早朝の階段の音。確かに心当たりはある。ロワール川めぐりに参加するために、今朝は6時半に部屋を出た。このアパルトマンの階段は歩くたびに悲鳴をあげるものだから、確かにうるさかったかもしれない。でも、そんなに早く出かけることはもうないから、安心してくれと説明する。 とりあえずは相手の理解を得ることが出来た。しかし、この気まずい雰囲気のままで電話を切りたくはない。今度の日曜日までは、ともかくご近所様なのだ。出切れば良い雰囲気に持っていきたい。 私の名前はキクというんだ。日本人だよ。アナタは ? 彼の名前はクリストフ。英語が苦手なんだと言う。「そんなことはないよ。少なくともボクのフランス語よりは、はるかにマシだ。」(ああ、嫌なセリフ。ロンドンで英語のヘタな私にイギリス人が慰めるときに使う言葉と同じだ。) ともかくもクリストフと表面的には友好関係を確立。充分とは言えないが、気まずい雰囲気のままでいるよりはマシに違いない。このアパルトマンに滞在する間、クリストフに会うこともないだろうけど、また夜中に苦情の電話をもらいたくはないもんね。
All rights reserved このサイトの画像 及び 文章などの複写・転用はご遠慮ください。 このサイトの運営は、あちこち三昧株式会社が行います。
|