古都ラヴェンナにある悲劇の皇女ガッラ・プラキディアの廟5-6世紀のモザイク画(その中には東ローマ帝国皇帝ユスティニアヌス1世夫妻を描いたものもある)を残すサン・ヴィターレ教会の隣に、小さな建物(下の画像)がある。
これが数々の悲劇の主役を務めた西ローマ帝国末期の悲劇の皇女ガッラ・プラキディア(ラヴェンナに遷都した皇帝ホノリウスの異母妹)の廟だとされてきた建物なんだ。もちろん、古都ラヴェンナの世界遺産の一つになっている。
ガッラ・プラキディア廟のモザイク画「水盤から水を飲む鳩」この小さな建物は、ガラスではなく薄いアラバスター(雪花石膏)の窓を通して日光を取り入れている。その薄明かりの中にはいくつものモザイク画が浮かび上がっているんだ。そんなガッラ・プラキディア廟のモザイク画の一つが下の画像にある「水盤から水を飲む鳩」なんだ。その左右に描かれているのは聖人と考えられているけど、誰なのかはわからないらしい。
モザイク画「水盤から水を飲む鳩」についての資料によれば、この鳩は魂を象徴しているんだそうな。対して、水が象徴しているのは癒しと平和。つまり、このモザイク画が示しているのは、永遠の命の水で魂の渇きを癒すことなんだそうな。 天井に輝く十字架と星のモザイク画続いては、ガッラ・プラキディア廟の天井に輝く十字架と星のモザイク画が下の画像なんだ。
この古都ラヴェンナのドゥオモの隣にある大司教館付属博物館の中の聖アンドレーア礼拝堂の中にも同様に黄金に輝く十字架と星のモザイク画があったね。
モザイク画「良き羊飼いの図」もう一つ私の気に入りのモザイク画は、下の画像にある「良き羊飼いの図」。建物の中は暗いけど、このモザイク画は明るいよね。次第に「死」を教義の中心にしていくキリスト教なんだけど、この時代に描かれるキリスト教は暖かいよね。地上に生きる者たちを導いているよね。
ところで、このガッラ・プラキディア廟なんだけど、最近の研究では皇女ガッラ・プラキディアの遺骸はこの建物ではなく、ローマにあるサン・ピエトロ大聖堂近くの墓地に葬られたとされている。この建物を建てさせたのは彼女だったらしいけどね。
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