東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「春のポルトガル」

リスボン、シントラ、オビドス、ナザレなど

20. ポルトガルの土産物

ロンドンの自宅でポルトガルの土産物の記念撮影

ポルトガルの首都リスボンの空港には、夕方の5時半に到着。すぐに搭乗手続きを済ませ、出発ロビーに入る。さて、空港の免税店で最後の買い物は、ポルトガルのワインとイワシの缶詰などなど。ナザレの砂浜でイワシとワインが美味かったからね。プレスンド(ポルトガルの生ハム)も買っておこう。生ハム、大好きなんだ。

リスボンの空港を離陸したのが7時半。間もなく、機内食が出てきた。今日のメニューはチキンの炭火焼風、ホウレンソウ、ハム、ツナ・サラダ、カステラ風のデザート。ポルトガル航空の機内食は美味いね。特にチキンの炭火焼風が芳ばしくてよい。そういえばガイドブックにはポルトガルの名物だと書いてあった。今回のポルトガルでは食べる機会が無かったけど。

やがてロンドンヒースロー空港に着陸し、タクシーで帰宅したのが11時。明日は仕事だし、すぐにでも眠りたいけど、まずは洗濯物を洗濯機に放り込む。次にポルトガルの土産物を並べて記念撮影だ。

ロンドンの自宅でポルトガルの土産物の記念撮影

その記念写真が上の画像。土産物が色々。ワインが6本、イワシの缶詰、ポルトガルのファドのCDに、アズレージョを思わせるタイルやコースター、名産のコルクを使った鍋敷、ロカ岬でもらったユーラシア大陸最西端到達証明書、オビドスでおばあさんから買ったレース編み、・・・などなど。タバコもある。既にタバコはやめたけど、当時はスモーカーだったんだ。

ブラジルを発見したカブラルを描いたポルトガルの紙幣

今回のポルトガルの旅は、ヨーロッパの新しい通貨ユーロが流通し始める前だった。というわけで、今は流通していないポルトガル・エスクードが旅の当時は使われていたんだ。そのおかげで、私の土産物の中にはポルトガルならではの人物などが描かれている紙幣やコインがある。

その中の一つが下の画像にある 1000エスクード紙幣。描かれているのは、ポルトガルの大航海時代の英雄の一人カブラルだね。

ユーロ切換前のポルトガルの1000エスクード紙幣に描かれたカブラル

西暦1498年にヴァスコ・ダ・ガマがインドに到達したことを受け、ポルトガル王マヌエル1世はインドへと向かう次の航海を命じた。その艦隊の司令官が、上の紙幣に描かれているカブラルだった。その艦隊が西暦1500年に偶然にも発見したのが、後にポルトガルにとって極めて重要な植民地となったブラジルだった。

コインに描かれたペドロ・ヌネシュも大航海時代の英雄

続いて下の画像にある100エスクード・コインに描かれた人物も、大航海時代のポルトガルの英雄の一人なんだ。リスボンの発見のモニュメントにも彼の像は加えられているほどだよ。

ユーロ切換前のポルトガルの100エスクード・コインに描かれたペドロ・ヌネシュ

この人物の名前はペドロ・ヌネシュ。といっても、冒険をした船乗りじゃなくて、数学者なんだ。その数学を利用して等角航法を編み出すなどにより、航海技術を改善したんだそうな。西暦1529年から亡くなった西暦1578年までポルトガル王室の地理学者だったらしい。

インドに渡った医者にして植物学者 ガルシア・デ・オルタ

続いては、下の画像にある200エスクード・コインに描かれたポルトガルの医者にして植物学者 ガルシア・デ・オルタ。彼はポルトガルがインドに派遣した副総督の医者としてインドに渡ったんだそうな。そのインドには30年近くも滞在したんだそうな。

ユーロ切換前のポルトガルの200エスクード・コインに描かれたガルシア・デ・オルタ

そして西暦1563年、彼はインドの薬草などに関する本を出版した。その本の中で彼はカリールという料理について言及している。つまり、今のカレーのことだよね。彼はカレーを記述した最初のヨーロッパ人というわけだ。だからポルトガルのコインに描かれたわけじゃないだろうけどね。

それから200年ほど後のことなんだけど、プラッシーの戦いに勝利を得たイギリスがインドの支配者となった。そしてカレーがイギリスに渡ったのが西暦1772年のこと。そのイギリスでカレーはシチューの調理法と出会い、今のようなカレーに近づいたらしい。

そのイギリス風のカレーは19世後半の幕末の頃には日本に来ていた。そして西暦1950年、日本において便利なカレー・ルーが発明されたらしい。そんなこんなでポルトガルの土産物の話がとんでもない脇道に行っちゃったね。なんせ私はカレーが大好きなもので ・・・ 。


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