東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

パリに住んだ ・・・ つもりの 9日間 (フランス)

パリからロワール、ノルマンディー、シャルトルまで

31. ブローニュの森のレストランでディナー (パリ)

オルセー美術館から眺めたセーヌ川とルーブル美術館

ロンドンに7年半も住むことができたおかげで、しかもロンドンパリを結ぶユーロ・スターが開通したおかげで、パリには何度も遊びに来ることができた。でも、今日ほどパリを歩き廻って観光したことは無かったね。

朝からパリ郊外にあるサン・ドニ大聖堂、パリ市内に戻ってクリュニー美術館サント・シャペルコンシェルジュリー、そしてオルセー美術館だ。さすがに疲れたよね。というわけで、オルセー美術館のテラスに出てちょいと休憩。下の画像は、そのテラスからの眺めだ。

フランスの首都パリのオルセー美術館のテラスから眺めたセーヌ川とルーブル美術館

上の画像に移っている川は、パリを流れるセーヌ川だね。西暦845年には、このセーヌ川を遡ってきたヴァイキング(ノルマン人)がパリを略奪している。そんなヴァイキングにセーヌ川下流のノルマンディー公国を与えたのが西暦911年。そのノルマンディー公国のウィリアムが西暦1066年に英仏海峡を渡り、イングランド征服王ウィリアム1世になったわけだね。

そんなセーヌ川の向こうに見えるルーブル美術館は、元々は西暦1190年にフランス王フィリップ2世(尊厳王あるいはオーギュスト)が築いたルーブル城だった。が、16世紀前半にフランス王フランソワ1世が城砦から宮殿に改築したんだ。

そのルーブル美術館の左手に見えるのはテュイルリー庭園だね。17世紀の後半、フランス王アンリ2世の未亡人カトリーヌ・ド・メディチがここにテュイルリー宮殿を建てた。そしてブルボン家の初代フランス王アンリ4世は、ルーブル宮殿とテュイルリー宮殿との間に回廊を築いた。

でも、17世紀にはフランス王ルイ14世ヴェルサイユ宮殿を築いて、ルーブル宮殿やテュイルリー宮殿を去り、18世紀のフランス革命の後にルーブル宮殿は美術館とされ、19世紀に普仏戦争に敗れた後のパリ・コミューヌでテュイルリー宮殿は火災に遭ったわけだ。上の一枚の画像に納まっている場所でフランスの歴史が激しく揺れ動いたわけだよね。我が画像ながら、フランスの歴史を凝縮した一枚 ・・・ かも。

パリの凱旋門をタクシーから見上げた

でも、今日はまだ終わっていない。長い一日のフィナーレはまだ先なんだ。まずはアパルトマンへ戻り、風呂で汗を流し、ジャケットに着替える。通りに出てタクシーに乗り込み、そのタクシーの窓から見上げた凱旋門が下の画像なんだ。

フランスの首都パリの凱旋門

この凱旋門なんだけど、そもそもはフランス革命の後にフランス皇帝となったナポレオンが計画したもの。但し、凱旋門が完成した西暦1836年の時点では、既にナポレオンはセントヘレナ島で亡くなっていたんだけどね。でも、西暦1840年にナポレオンの遺骸がパリに帰還した時には、完成した凱旋門が出迎えたというわけだ。

西暦1944年8月26日には、この凱旋門とパリの人々が別の人物を出迎えている。その人物とは、後に大統領となったド・ゴール将軍。長くナチス・ドイツとの戦いを指導したド・ゴール将軍がここに凱旋したのは、フランスの首都パリがナチス・ドイツから解放された直後のことだった。

ブローニュの森のレストラン「グランド・カスカード」

タクシーは更に西へ向かって走りつづける。目指すはフランス皇帝ナポレオン3世統治下の西暦1854年に完成したブーローニュの森。そのブローニュの森の中にあるレストラン「グランド・カスカード」(下の画像)で食事をとることになっているんだ。

フランスの首都パリの郊外にあるブローニュの森の中のレストラン「グランド・カスカード」外観

乗って来たタクシーはレストランのすぐ前で停めてくれた。でも、せっかくのブローニュの森だし、まだ明るさも残っているし、ちょっとだけ散歩してからにしよう。但し、このブローニュの森にはおホモだちや夜の特殊職業婦人も集まるらしいから、注意して歩いたけどね。女性一人では散歩しない方が無難だと思うよ。

ミシュラン一つ星のレストラン「グランド・カスカード」でディナー

さて、散歩を終えてレストラン「グランド・カスカード」に入る。ミシュラン一つ星のレストランなんだ。何を食べるかな。とりあえずアペリティフに頼んだロゼのシャンパンを飲みながらメニューを読んで料理を注文する。

家内の前菜はトリュフのマカロニ。プリプリのマカロニの中にトリュフがぎっしり。これは逸品だった。私の前菜はランゴスティンとコジェットの花のフライ。軽い仕上がりでさらっと食べちゃったね。

そしてメインに選んだのは二人とも鱸のパイ包み焼き。テーブルの横で鱸のパイを開き(下の画像)、皿に盛り付けてくれた。その身がプリプリで、しかも味付けがシンプルあっさりだったのが良かったね。良い素材と丁寧な調理をあっさり味付けが引き立てたみたい。

フランスの首都パリの郊外にあるブローニュの森の中のレストラン「グランド・カスカード」で食べた鱸のパイ包み焼き

選んだ料理に合わせたいと考えていたワインはフランス南部プロヴァンス地方のバンドールかカシのロゼだった。でも、このグランド・カスカードにはプロヴァンス地方のワインが無かったんだ。がっかりしていた私にソムリエが勧めてくれたのがペサック・レオニャンの白。これが力強くシャープで良かったね。

ディナーを終えて家内とレストランの評価会議。料理、ワイン、内装、景色どれも文句なし。しかも、陽気なスタッフがディナーを楽しませてくれた。ソムリエの選択も料理を引き立てた。というわけで、ミシュランの星は一つだけど、それ以上の価値のあるレストランということで家内と私の意見は一致したね。おかげで、楽しい思い出を抱いて帰りのタクシーに乗り込むことが出来たよ。


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