東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「バルセロナ街歩き (スペイン)」

カタルーニャの歴史とガウディ

11. バルセロナ散策

バルセロナで見た「考える牛」

ガウディのグエル公園を見て歩き、タクシーでバルセロナ市内中心部のカタルーニャ広場まで戻ってきた。そこから南に向かって歩く。ゴシック地区へ行こうというわけだ。

スペインのカタルーニャ地方の州都バルセロナで見た「考える牛」

その途中で見かけたのが、上の画像にある「考える牛」。どう見ても、ロダンの「考える人」をもじっているよね。

この牛さんが何を考えているのか。スペイン名物の闘牛において殺される牛たちの運命についてであるならば、バルセロナを中心とするカタルーニャ地方では既に解決された問題だね。自治州の中では闘牛は禁止されちゃったからね。もしこれがイギリスの牛ならば、狂牛病のことで悩んでいると考えるだろうけどね。最近はニュースにも登場しなくなったけど。

バルセロナのレストラン「ロス・カラコレス」

やがてバルセロナの歴史ある旧市街ゴシック地区にあるレストラン「ロス・カラコレス」に到着。その店頭では、下の画像のようにグリルでチキンを焼いている。名物料理がチキンなんだけど、その芳ばしい香りが客を呼び込むわけだ。日本のウナギ屋さんと同じ戦略だよね。

スペインのカタルーニャ地方の州都バルセロナのレストラン「ロス・カラコレス」の店頭

この店で食べるべきは、もちろん名物料理のチキン。それに地元の白ワインが合う。前菜にはガスパチオも美味しいね。それから名物のチキンの入ったパエリャもお薦めだね。

大聖堂の前でカタルーニャの民族舞踏サルダーナ

しっかりとお昼を食べ、たっぷりとワインを飲み、満足してレストランを出る。のんびりと歩いて向かったのはバルセロナの大聖堂(正しくは聖エウラリア大聖堂)だった。クリスマス・イブの前には大聖堂の前の広場には多くの店が並び、クリスマス用品を売っていた。でも、今日は店は無く、下の画像のように多くの人々が輪になって踊っていた。

スペインのカタルーニャ地方の州都バルセロナの大聖堂の前で民族舞踏サルダーナ

これがカタルーニャ地方の民族舞踏サルダーナなんだね。有り難い。珍しいものを見せてもらった。せっかくだから、サルダーナについて整理しておこう。

カタルーニャ地方の伝統の民族舞踏 「サルダーナ」

  • カタルーニャ地方独特のフォーク・ダンスのようなもの。11人編成のバンドの音楽にあわせ、輪になって踊る。スペイン南部アンダルシア地方を本場とするフラメンコとは対照的なゆっくりとした静かな踊りだ。

  • 原則として土曜日の夜と日曜日の正午に、バルセロナの大聖堂の前の広場で開催される。私達が見たのは月曜日だったけど、クリスマスだったから特別だったんだろうね。

  • 16世紀には、「不謹慎な踊り」とされ、教会によって禁止されたこともあった。公衆の面前で異性の身体に触れることがローマ・カトリックの教えに反しているとされたらしい。

  • カタルーニャ語の並んでカタルーニャ地方の民族主義の象徴とされ、フランコ独裁政権時代にはカタルーニャ語と共にサルダーナも禁止されていた。

  • 観光客が飛び入り参加することも出来るらしい。但し、踊りの輪の近くにいる自治会の世話役のおばさんに寄付をして、胸にシールを貼ってもらうことが必要なんだそうな。

そんなこんなで独自の文化を持つバルセロナあるいはカタルーニャ地方なんだけど、古くからスペインからの離脱を求めていた。フランス王ルイ14世によって惹き起こされたスペイン継承戦争の際もそうだったんだ。そして西暦2012年11月に行われたカタルーニャ自治州の州議会議員選挙では、独立推進派が過半数を獲得している。とはいえ、スペインの憲法改正が無ければ独立はできないらしいけどね。

そんなカタルーニャ地方が見守っていたのが、西暦2014年9月に実施されたイギリス北部スコットランドでの独立をめぐる住民投票だった。その結果として独立が実現すれば、カタルーニャ地方のスペインからの独立にはずみがつくと考えられていたんだ。しかしながら、スコットランドでの投票の結果は独立反対だった。

それでも、カタルーニャ自治州は独立を問う住民投票を実施する構えだった。しかしながらスペイン憲法裁判所は住民投票の差し止めを命じた。その結果、カタルーニャで実施された住民投票は非公式なものとなった。

それでもカタルーニャ地方の住民の4割が投票し、8割が独立に賛成した。カタルーニャ自治州は引き続き中央政府と交渉し、独立を問う正式の住民投票の実施をめざすみたい。中央政府は認めるつもりは無さそうだけど。この問題はまだまだ尾を引きそうだね。

バルセロナの旅の最終日

翌日はバルセロナで過ごす5日目、この旅の最終日だ。のんびりと休暇のはずが、連日連夜の暴飲暴食の報いで、家内も私も体調が悪い。午前中はホテルで休養とした。

午後になって空港に向かう。もし早い便に空席があれば、それで早めに帰ることができると期待してのこと。ところが全て満席だそうな。空港の待合室で予約してあるフライトの時刻を待つしかない。

ところが、ついていない時には運の悪いことが重なるもんだ。予定していた飛行機がテクニカル・プロブレム(よくある言い訳だ ・・・ )のせいで出発が遅れるらしい。結局、バルセロナから離陸したのは、予定よりも3時間も遅れていたよ。ロンドンの自宅に帰りついたのは、かなり遅い時間だった。さすがに疲れたね。

ロンドンの自宅で楽しんだバルセロナの旅の土産物

そんなバルセロナでのクリスマスから数日後、正月休みの後半をロンドンで過ごしていた。そんなある日の夜のダイニング・テーブルの様子が下の画像なんだ。

バルセロナで買ったカバ、絵皿、陶器の動物たちをロンドンの自宅で楽しんだ

テーブルの上のボトルは、バルセロナで勝ったカバ(カタルーニャ地方で作られるシャンパンのような発泡性ワイン)。そして料理が載っているのは、バルセロナで買った陶器の絵皿なんだ。その周囲には同じくバルセロナで買った陶器の動物たち。こうして旅の後も土産物が楽しませてくれるわけだね。

というわけで、旅行記「バルセロナ街歩き(スペイン)」はこれで終わりなんだけど、もし興味があれば、下の略年表なども読んでみてくださいね。

カタルーニャとバルセロナ(スペイン)の略年表


旅行記「アンダルシアの古都めぐり(スペイン)」



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