東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「春のポルトガル」

リスボン、シントラ、オビドス、ナザレなど

25. ポルトガルのコルクと鍋敷

ポルトガルのガロ(幸運のニワトリ)のワインの栓

ポルトガルで買ったガロ(幸運のニワトリ)のワインの栓 旅行記「春のポルトガル」の最後に土産物の話を色々と書いてきたけれども、それもこのページで最後になる。そのページの冒頭を飾るのは、右の画像にあるガロ(幸運のニワトリ)のデザインのワインの栓。

ポルトガルの輸出品と言えば、まず頭に浮かぶのはポート・ワインかな。西暦1755年のリスボン地震からの復興を指揮したポンバル侯爵もポート・ワインの品質維持や生産者の保護に力を入れたんだけどね。次いで名高いのはマデイラ・ワインだよね。その他にも私の好きなヴィニョ・ヴェルデ(緑のワイン)もある。

いずれにせよ、昔からポルトガルのワインは重要な輸出品目だったわけだ。そんなワインの瓶詰めに欠かせないのが、栓に使われるコルクだよね。そのコルクも実はポルトガルの重要な輸出品になっている。今の世界のコルク生産の半分以上をポルトガルが占めているんだそうな。そんなわけで、このワインの栓のようなコルク製品の土産物もポルトガルには多いわけだね。

しかも、ワインの栓に限らず、このカラフルなニワトリ(「ガロ」と呼ばれる)を描いたポルトガルの土産物はあちこちで見ることができるんだけど、このニワトリはポルトガルでは幸運のシンボルとなっているんだそうな。

ポルトガルのガロ(幸運のニワトリ)

ポルトガル北部にバルセロスという街がある。その街で窃盗事件が多発し、街の宿に泊まっていたよそ者が捕まり、裁判の末に処刑されることになった。でも、そのよそ者はあくまでも犯人は自分ではないと言い張った。それでも処刑の時は近づいてくる。そして処刑の前夜、最後の望みを聞いてもらえると知ったよそ者は、もう一度裁判官に会うことを望んだ。

裁判官の邸に連れて行かれたよそ者は、あくまでも無実を訴えた。でも、裁判官は聴く耳を持たなかった。途方に暮れたよそ者は言った。裁判官の前のテーブルに置かれたニワトリの丸焼きは、明日の処刑の前に鳴く。それが自分の無実の証明だと。

そして翌日の処刑の時が来た。その時、丸焼きのニワトリが鳴いたんんだそうな。さすがに裁判官も判決を覆し、よそ者の無実を認めたわけだ。以来、その丸焼きのニワトリはガロと呼ばれ、ポルトガルの幸運のシンボルとなっている。

上の画像にあるワインの栓のガロも、下の画像にある鍋敷のガロも、いずれも真っ黒なのは丸焼きのニワトリだからなんだろうね。ちなみに、ロンドンからリスボンに飛んだポルトガル航空の飛行機の機内誌によれば、炭火焼のチキンはポルトガルの名物料理だとのこと。残念ながら私は旅の間に食べることが出来なかったけどね。

ガロ(幸運のニワトリ)の絵柄のタイルの鍋敷

そんなわけで、ポルトガルで買ったガロ(幸運のニワトリ)の土産物が、下の画像にあるタイルの鍋敷。主要産品であるコルクも使ってあるし、いかにもポルトガルらしい土産物だよね。

ポルトガルで買ったガロ(幸運のニワトリ)の絵柄のタイルの鍋敷

でも、ここで疑問に思ったことがある。よそ者の裁判を担当した裁判官がもし私のような大食いだったならば、目の前のニワトリの丸焼きを食べずに翌日までガマンしただろうか。私だったら絶対に食べている。その場合、ポルトガルのガロの土産物には、骨だけになったニワトリ(つまりニワトリのガイコツ)が描かれていたのかな。

大航海時代の帆船を描いたタイルの鍋敷

そしてポルトガルの土産物シリーズの最後を飾るのは、下の画像にあるタイルの鍋敷。

ポルトガルで買った帆船の絵柄のタイルの鍋敷

前のページに書いたアズレージョを思い出させるタイルも使われているし、コルクも使われている。加えて大航海時代のポルトガルのシンボルとも言える帆船が描かれている。私の気に入りのお宝なんだ。

ちなみに、ガロのタイルの鍋敷も、帆船のタイルの鍋敷も、いずれも我が家のキッチンで日々に活躍している。安くて実用的でポルトガルらしくて、我が家のお薦めのポルトガルの土産物だね。


ポルトガルの略年表

というわけで、旅行記「春のポルトガル」は終わりなんだけど、ポルトガルの歴史をまとめた略年表も作ってみた。もし興味があれば、読んでみてね。


次のページは
「ポルトガル略年表 h00. 概要と目次」



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